車 体 |
車体は普通鋼製で、「全二階建構造」を謳っているが、私に言わせればこれは正確ではない。
確かに客室だけを見れば二階建てになっているが、全乗客の共用スペースである通路部分まで二階建て構造になっている純粋な「二階建て構造」と呼べるのはクハネ285形とサハネ285形の車体中央部分だけであり、その他の客室は「二層構造」と呼んで区分するべきであろう。
それはともかく、これほど重装備でしかも電動車比率が低い編成でわざわざ重い鋼製車体を採用したのは個人的には納得し難く、アルミ車体の採用で軽量化を図るべきではなかったか?
付随車でも40t超、電動車で最大50tという重量は在来線車輌としては超ヘビー級で、線路に与える影響も無視できない他、乗り心地にも影響しかねないと思うのだが。
デザイン面では(個人的には)なかなか優秀であると思えるだけにことさら残念である。
なお、以下ではJR西日本保有の0番台車について説明しているが、JR東海保有の3000番台車も中身は全く同じである。
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クハネ285形 |
(1/8号車 山側)
(7/14号車 海側も同一)
(7/14号車 山側)
(1/8号車 海側も同一)
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1/7/8/14号車に連結される先頭車。
1/8号車が高松方先頭車、7/14号車が東京方先頭車となる。
客室は一人用個室B寝台・シングルが主体で、車体中央部に2階建て構造でシングルが18室、デッキ付近に二人での利用が可能な一人用個室B寝台・シングルツインが1室設置されるほか、運転台側の冷房装置の直下にもシングルが1室設置されており、最大乗車定員は21名。
トイレは和洋各1カ所、洗面所は2カ所で、デッキ側車端部に備える。
高運転台式の運転室は半室構造となっており、通り抜けのための貫通路を有する。正面の貫通扉はプラグドア方式となっている。
また、先頭貫通路部分のサンライズのマークは、実はシールである。
なお、高松方先頭車と東京方先頭車では、部屋番号の振り方が異なるので、指名買いの際は要注意!
乗務員室ドアのすぐ横には、屋根上に上がるための梯子を取り付けるための金具が付いている。
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サハネ285形 200番台 |
(山側)
(海側)
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2/9号車に連結される、一人用個室B寝台・シングルを主体とした中間車。
車体中央部とデッキ側車端部の構造はクハネ285形とほぼ同じだが、身障者対応設備が備えられており、出入口扉が通常75cm幅のところ、この車輌のみ1mの幅広扉が備えられ、トイレが洋式1箇所のみとなるが、車椅子対応のボタン開閉式の幅広ドアを備えた広々とした物が設置されている。
デッキの無い側の車端部は、冷房装置直下にシングルが2室、そうでない部分にシングルツインが2室設置され、最大乗車定員は26名となる。
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モハネ285形 0番台 |
(山側)
(海側)
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3/10号車に連結される、一人用個室B寝台・ソロを基本とした中間電動車。
客室中央部にソロが2層構造で並ぶが、機器配置の関係からサハネ285形と異なり、通路は上下の部屋で共通となる。最大乗車定員は20名。
出入台側のデッキにトイレを1カ所備え、出入口扉の無い側の車端部にロビーコーナーと自動販売機と電話室、それにシャワールームを備えている。
新製当初はパンタグラフ1基搭載であったが、2014〜16年のリニューアル工事の際に2基搭載に改造された。
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サロハネ285形 |
(山側)
(海側)
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4/11号車に連結される、唯一のA寝台車。
車体中央に、一人用個室A寝台・シングルDXと二人用個室B寝台・サンライズツインが二層構造で並んでおり、通路は上下階供用で片側(山側)に寄せられている。
上層にシングルDXが6室、下層にサンライズツインが4室設置され、最大乗車定員は14名。
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モハネ285形 200番台 |
(山側)
(海側)
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5/12号車に連結される、唯一の座席車。
車体中央は上下二層構造の普通車座席指定車・ノビノビ座席で、28席設置。
出入台側車端部にはトイレ1カ所と自動販売機、乗務員室が設置されている。反対側車端部の冷房装置直下は例によってシングルが2室備えられており、最大乗車定員は30名となっている。
また、サロハネ285形と同じく、通路が片側(山側)に寄っているのが他の形式との構造上で大きく異なる点である。
新製当初はパンタグラフ1基搭載であったが、2014〜16年のリニューアル工事の際に2基搭載に改造された。
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サハネ285形 0番台 |
(山側)
(海側)
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6/13号車に連結される、一人用個室B寝台・シングルを主体とした中間車。サハネ285形200番台の身障者設備の無い車輌と思えばよい。
車体中央部とデッキ側車端部の構造はクハネ285形と全く同じで、デッキの無い側の車端部の構造はサハネ285形200番台と全く同じである。
最大乗車定員は26名。
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