高知駅高架化


(2006年5月時点)


 1996年度に事業着工。

 高知駅の前後、久万川橋梁から山ノ端踏切までの約4.1km(正確には4,080m)の区間が対象で、これによって11カ所の踏切が解消され、高知・入明・円行寺口の3駅を高架化、線路両側に幅員6mの側道が整備される。

 このため従来高知駅に隣接していた高知運転所は2002年3月に布師田に移転し、土佐一宮〜薊野間は部分複線化(正確には薊野駅場内の延長:L=932m:2001年2月完成)も行われた。


 2008年度の完成を見込んでおり、総事業費は立体交差化事業に約500億円、駅周辺の区画整理等に合わせて約430億円が計上され、高知県および高知市にとっての一大プロジェクトである。
 このうち立体交差事業が県施工、区画整理が市施工事業となっているらしい。
 立体交差化事業約500億円のうち、高知運転所の移転に約70億円、薊野駅場内改良に約11億円が投下された。

 2005年2月末時点で、用地取得・仮線切替ともに進捗率100%で、あとは高架橋本体工事と駅およびその周辺整備を残すだけとなっている。
 2005年度は日赤通り南側や、旧高知運転所跡地などの区画整理が行われるほか、南北駅前広場の具体的なレイアウト検討に着手する。


 高架高知駅は元の高知運転所の場所(北側)に設置されたが、高知から西の区間は在来地上線の南側に高架線路が作られている。
 そのため右側一番下の画像2枚のように、高知から下り方に出発した線路は大きく北側に曲がって、高架線路の下をくぐり抜ける線形となっていた。
2003年9月16日撮影
2005年7月16日撮影

(2007年9月22日追記)

 高架橋は既に完成。線路部分も順調に敷設工事が進んでいる。

 現在は新しい高知駅の本体部分の工事が進んでおり、2007年春には駅本体を覆う大屋根の工事もスタート。この大屋根は大部分が木製となっており、長さは見た感じ50mほど。
 ホーム屋根とは別に、これにさらに覆い被さるような形になる。

 肝心のホーム部分については、一応2面4線のスペースは確保されているようだが、当面3線使用になるという噂もちらほら。せっかくだから、2面4線にしてもらいたいもの。

 南側は、現在の2/3番ホームのあたりが車寄せになり、大きく張り出し屋根が設置される予定のようだ(完成予想図参照)。

2007年9月21日撮影

現在駅側より

現在駅1番ホームから

北側の様子

大屋根の内側は木製

(参考資料)
 高知市 2005年度重点施策概要(公式発表資料)
 「高知県高知駅周辺都市整備事務所」ホームページ(http://www.pref.kochi.jp/~ekijimusho/


(2008年3月1日追記)

 2008年2月26日に正式オープンした、高架化された高知駅を見聞。
 個人的な感想は「高知にもやっと、本州のような立派な駅ができた(^_^; 」でした(苦笑)

 ホームのほぼ全区間がちゃんと屋根で覆われているのと、他の駅には無い(外観上の)個性があるのはGood♪
 ただ、ホームがやたらカーブしているのは少々気に入らないっす(^^;


※右画像は全て2008年3月1日撮影



 旧駅舎の駅名表示には黒いカバーが被せられていた。

 旧駅舎入口から入り、旧駅の改札跡を抜けて新駅へ向かうようになっている。
 旧駅ホーム施設等は現在撤去作業中で、旧駅ホームのあたりが車寄せになるはず。


 新駅の改札はJR四国初の自動改札。
 自動改札機は当然ながら(?)カード読み取り未対応タイプ。

 改札外から見ると、入場3ゲート+出場2ゲート+有人改札1ゲート。
 改札外から見て右から3番目が、車いす対応の幅広通路。

 ちなみに改札内から見ると、出場4ゲート+入場1ゲート+有人1ゲート。
 つまり、中央の2ゲート(幅広1ゲートを含む)と有人改札の合わせて3ゲートが、入出場両用となる。

 自動改札の反応速度は個人的には及第点で、ほぼ関西圏の自動改札の速度に近い感じ。
 個人的に、関東の自動改札は反応速度遅すぎ・・・・

※ICカード利用の場合を除く

 自動券売機が3台しかなく、この日のこの時間帯はちょっと混雑。
 自動改札に不慣れな人が多いようで、改札周辺は場合によっては利用客よりも案内係の社員の方が多いほど(笑


 改札を入ってそのまま直進すると階段へ。振り返るとエスカレーターがあり、階段を避けてさらに奥に行くと、トイレとエレベーターがある。


旧駅舎の駅名にはカバー

旧駅改札跡を抜けて新駅へ

旧駅ホームは撤去工事中

JR四国初の自動改札

新駅の改札口

改札を入って振り返る

改札を入ってまっすぐ正面に
あるトイレとエレベーター

北口エントランス


 ホームは島式2面4線。従来通り、一番南側が1番ホーム。

 出発信号機はLED表示で、上り方/下り方ともに4基ずつ並んでおり、入換信号機も併設。
 全ホームとも上下両方向へ出発と引揚線への入出線が可能。


 引揚線は、下り方に1本、上り方に2本設置。
 上り方の方は21m車4両まで対応のようで、給水or給油(どっちだろ?(^^; )設備も4基設置されているようだ。

 下り方の引揚線は少し長く、21m車5〜6両分ぐらいあるように見受けられる。



 軌道は、ポイント部分がバラスト軌道+合成枕木(多分)で、それ以外は近年採用例の多い、コンクリートスラブを使った(D型?)弾性枕木直結軌道だが、防音のため駅構内の一部はバラストも併用している。

 レールは、駅構内もロングレールになっているようだ。


上り方出発信号機群

上り方引揚線は2本
右端は本線

給水or給油設備がある

下り方も、同様に4つの
出発信号が並ぶ

こちらは引揚線は1本


 新しい高知駅のシンボルでもある、ドーム屋根。
 「くじらドーム」と名付けられた。

 個人的には、これのどこが鯨なのかと思うが、できた後で名付けられたのだからイメージにそぐわないのは仕方がない(^^;

※それなら最初から名前を決めて、それに沿ったデザインにすれば良かったのに・・・

 まぁ、横方向に伸びる「梁」が鯨の肋骨のようだと言えば、納得する人もいるかも?(笑)

 高知県産の杉を使用しており、長さ約60m、幅約38m、高さ約23m。


北口エントランス

ホームを覆うドーム

ホームから北側を望む

高知県産の杉らしい

南側はこんな感じ


 2面4線のホームはいずれもカーブしており、美観の点では今ひとつ。

 ホーム屋根は、ドームを含めるとホーム両端の数m部分を除いてホームほぼ全てをカバーしており、列車待ち中に雨に濡れる心配がほとんど無いのはGood。
 ドーム以外のホームの屋根も、ドームに合わせるように弧を描いており、デザイン的にもまずまず。


 ホーム上には、待合室なども設置されており、全てグレー系統のシックなカラーで統一されている。



東側から西側を望む

西から東を望む



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