海岸寺・屏風ヶ浦付近復旧改良工事模様


 予讃線・海岸寺〜詫間(津島ノ宮)間の通称・屏風ヶ浦付近は、国鉄時代から「お立ち台」として有名であった。
 また、列車に乗っていても車窓のすぐ間近に海が見えるポイントとして、旅行誌などでも紹介されたことのある場所であった。

 しかし、2017年9月17日の夕刻に四国に上陸した台風18号に伴う波浪により、防波堤の一部が損壊したうえ道床も一部が流失する被害を受けた。

 このため、翌18日から多度津駅〜詫間駅間でバス代行運転の措置が執られた。
 しかし、そこはさすがに四国一の大幹線区間、関係者の不断の努力による突貫工事での復旧作業で、速くも9月21日には列車の運行が再開された。

 運転再開後、しばらくは速度規制が行われていたが、復旧工事を並行して進めながら数ヶ月後には解除された。

 その後も防波堤の復旧工事並びに改良工事は数年がかりで行われ、2022年11月現在も継続中である。


 以下は、下に行くほど古い時系列順に並べてある。

2022年12月5日



 鼻先部分も綺麗になった。竣工銘板も付いたので、ここはもうコレで終わりであろうか?



2022年11月29日


 海岸寺側の状況。

 ”島”も消えてしまったし、工事用資材も撤去されてしまっているが、プレハブ小屋は健在なので、今年度の工事はとりあえずここまでということなのか?



2022年11月15/17日
(15日)

(17日)


(15日)

 海岸寺側で、小舟(借りた漁船?)を浮かべてなにやらやっていた。防波堤重ね塗りに向けた確認かしら? 奥の小舟も同行船の模様。


(17日)

 一方の鼻先部分では、コンクリ防波堤が姿を見せていた。

 すぐ横の吹き付け部分は2015年の竣工で、意外と新しい。


2022年10月26日




 海岸寺側の工事用足場がほぼ消失。
 最終的には、津島ノ宮側のように現状の防波堤の外側に新しい防波堤を「重ね塗り」するのであろうが、さしあたって当面はこのまま存置する模様?

 代わって(?)丁度鼻先のあたりではモルタル吹きつけ部分の一部を完全に取り壊して、人工のコンクリ擁壁にするとおぼしき工事を行っていた。


2022年9月22日



 前々回8月23日↓とほぼ同じ潮位の状態で再確認。

 工事用足場の状況は前回と変わりないように見える。
 また、津島ノ宮側の「島」は完全に消失した模様。


2022年9月1日



 前回↓から1週間程度しか経っておらず、また潮位も高い状態であったが、この日は海岸寺側の工事用足場の土砂を取り除く作業をしていたので撮影。

 津島ノ宮側の「島」は海面下となっているのか完全に撤去されたのか、画像からは不明。


2022年8月23日



 海岸寺側の新防波堤の基礎になると思われる部分がかなりできあがった状態。

 津島ノ宮側の「島」も↓の6月30日時点に比べてかなり小さくなっている。


2022年7月11日



 海岸寺側の新防波堤工事がさらに進捗。

 この日は、津島ノ宮側は前回と変わりなかったので撮影していない。



 この打設工事に関する元請け業者さんの施行事例(新規タブで開きます)。


2022年6月30日



 海岸寺側は作業用土台がほぼできあがり、防波堤側は海から完全に切り離された。
 新しい防波堤の土台も既に一部できていた。


 津島ノ宮側も”島”がさらに小さくなっている。


2022年6月16日




 海岸寺側の埋め立てが進む一方、津島ノ宮側の土台撤去作業が進んでいる。

 しかし、津島ノ宮側の「お立ち台」はもう快適に撮影できる定員は1名と考えた方が良さそうである。


2022年5月27日

 海岸寺側の埋め立てが進んでいる。


2022年5月12〜19日


 海岸寺側の区間も、一見すると防波堤はほぼ無傷に見えるが、ここも改修・改良対象箇所に当たる模様で、津島ノ宮側区間にも設置されたような工事土台を作る工事が行われている。


※2022年5月12日撮影


 津島ノ宮側の方は、概ね工事が完了したのか、海上に設置されていた工事用土台の撤去作業が始まっていた。


※2022年5月12日撮影


2021年10月29日

 津島ノ宮側の防波堤の日付刻印。

 60年の時を隔てた新旧の防波堤が手を結んで、鉄路を守っている。


2021年8月26日



 津島ノ宮側の防波堤も概ね綺麗になった。

 海岸寺側では土砂運搬船の運んできた土砂を投入する工事が開始され、こちら側もいよいよ防波堤の本格的な改良工事が始まる様子であった。


2021年7月30日



 真新しいコンクリートの新しい防波堤が姿を見せてきた。


2021年6月15日




 仮設の補強が入っていた津島ノ宮側で、いよいよ本格的な修復・改良工事が始まった。

 鼻先部分での工事と同様、海側を一部埋め立てて工事用の土台を造成。
 昼間は、列車が通過する度に重機を一時止めての作業であった。


2021年2月22日

 鼻先部分の工事のために造成されていた土台が小さくなっているのが判る。
 この後しばらくして、完全に見えなくなった。


2020年2月6日

 鼻先部分の工事が終了した頃。
 この後、工事用に埋め立てた土台の除去が行われた。


2019年8月1日



 津島ノ宮側のこの位置からはよく見えないが、鼻先部分の防波堤の本格復旧&改良工事中の頃。

 海側の一部を埋め立てて、重機などが入る足場を造成しての作業であった。


2019年3月7日

 仮補強区間を通過する8000系の下り試運転列車。

 この区間は、仮補強のままで1年以上存置されていた。


2018年12月22日

 津島ノ宮側の仮補強部分を通過する貨物列車。


2018年3月29日



 崩落部分の仮復旧が完了。
 制限速度も解除され、標識も撤去された。

 仮設の補強は潮風に晒されて錆が出始めている。


2017年12月6日



 津島ノ宮側の波打った防波堤に、仮設の補強が入った。

 作業員が見守る横を通過する貨物列車。


2017年10月11日


 津島ノ宮側の大きく波打った防波堤。

 現場区間は60km/hの速度制限がかけられていた。
 この後、ワイヤー等による仮設の補強を入れる工事が行われた。


2017年9月20日





 被災直後、仮復旧作業中の様子。

 2〜3枚目は道床が流出した箇所へ補修用のバラストを運んでいく保線車両。
 4枚目は鼻先部分の遠望。
 5枚目が、防波堤が崩落した箇所。


 この翌日9月21日は、速くも仮復旧して列車の運行を再開している。




 不通期間中は、 予讃線にほぼ並行する県道21号線経由で、多度津駅〜詫間駅間で代行バスが運転された。

 1台で特急車両1両分の定員にも満たない観光タイプのでバスで、毎時1往復が運行されている特急列車と普通列車の代行を行うため、県内各地から多数のバスがかり出され、この日確認(撮影)できただけでも以下の各社のバスが運行されていた。

・屋島観光バス
・西讃観光バス
・平成バス
・三豊中央観光
・琴参バス
・エコロジャパン
・東交バス
・マルイ観光バス






 予讃線をオーバークロスする跨線橋部分は、代行バス区間最大の難所。
 対向車線に大きくはみ出しつつ、見事なステアリング捌きで12m級大型バスが次々に通過していく様は圧巻であった。

 なお、この区間は2022年4月にバイパス道路が暫定開業して、旧道になっている。


2017年9月18日


 台風襲来の翌日。

 防波堤の崩落部分と仮復旧作業の様子。


 駅前で待機する代替バスと、乗り継ぎ客で混雑する詫間駅ホーム。

 ちなみに上り特急列車の行先LEDは「岡山」表示であった。


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