なんちゃって2000系行き当たりばったり製作記





〜はじめに〜

 以下では、私が作成した「なんちゃって2000系」の作成方法について、簡単に記します。

 以下に掲載した以外にも、より実車に近い作成方法があるかも知れませんし、またひと味違った「なんちゃって2000系」を作ることもできるかも知れません。
 あくまでも、ほんの「一例」として参考程度にしていただければいいかと思います。

 自分だけのモデルが作れるというのが、模型の醍醐味の一つでもあります。皆さんも「自分だけのなんちゃって2000系」を製作して楽しみましょう(^^)


〜用意する物〜

<2000系Bトレインショーティ>

 これが無いと話になりません(当たり前(^^; )

 ヤフオクでは結構出回っていますが、総体的に少々高いので、店頭に出るのを待つのも一手ですが、その前に無くなってしまうのも嫌ですね、、、、思案のしどころです。
 ちなみに私は、たまたまヤフオクで6両セットが定価程度の即決価格で出品されていたのを見つけて、速攻で落札してゲットしました、、、、ラッキーでした(^^)

 量産車でもN2000系でも、自分の好きな方を用意すればいいでしょう。

 この中で、前頭部とスカート、それに車体側面と窓ガラスパーツだけを利用します(屋根は使いません)。


<改造種車>

 関水金属製 キハ283系


 下回りや駆動系などを流用するのが目的ですので、Tomixのキハ187系やマイクロのキハ281/283系でもOKだと思います。
 私の場合は、以下の3つの理由により、関水製のキハ283系を種車に選定しました。

 1.台車枠の形状が2000系量産車のS−DT56に似ている(厳密にはキハ281系の台車の方がより似ているのですが・・・)
 2.関水車は車体や下回りだけのばら売りASSYパーツが手に入りやすいので、失敗しても気が楽(笑)
 3.カーブでは車体が実際に傾斜する(←これ重要!(^^; )

 見方を変えれば、なんちゃってN2000系を製作するのであれば、キハ187系の方が台車枠の形状が似ているので、キハ283系よりも適しているかもしれません、、、車体が傾斜しませんが、それが許せるのであれば問題ないでしょう(^^;

 ただ注意点として、キハ283系と2000系は車体断面が微妙に異なります。
 キハ283系の方が低重心でかつ、振子中心高さが低いため、車体上部が2000系よりも絞られています。製作に当たっては、そのあたりを如何にして誤魔化す、、、じゃなくって(^^;、リカバリーするかで少し悩みます。


<車体パーツ>

(1)グリーンマックス製 AU26型冷房装置

 4個入りセットが税抜500円(店によっては400円から)で売られています。
 1セットで2両分ですので、必要分揃えましょう、、、できれば予備も。

(2)列車無線アンテナ&信号煙管

 無くても構いませんが、あると気分が盛り上がります。

 車両セットなどを購入すれば、オプションパーツとして付属していることも多いので、それの余っているのがあれば流用します。私の場合はこのパターンでした。
 種車のキハ283系をセット購入したのであれば、それに付属していた物を流用すればOKです。

 無い場合は、関水金属から共通部品として売られているので、それを購入すれば大丈夫です。いずれも税抜400円程度で20個入りなので、余った奴の使い道に苦労しますけど(w


<工具とか>

 さしあたって、通常のカッターナイフとプラスチック用のニッパ、ヤスリ(紙ヤスリ不可)、ピンセット、瞬間接着剤があれば事足ります。
 カッターナイフとニッパは細身でよく切れる物を、ヤスリはできれば目の粗いものと細かい物両方を用意します。ピンセットは先の曲がった物が使い勝手が良いと思いますし、瞬間接着剤は液状よりもゼリー状の方が作業がしやすいと思います。

 あとは塗装用のアクリル塗料として、グリーンマックスのステンレスシルバーとアルミシルバー、それとつや消しブラックがとりあえず必須です。
 他に、量産車であればタミヤのスカイブルー、N2000系であればタミヤのレッドとブルーがあれば良いでしょう。また、種車の元の塗装を落とすためにラッカー薄め液が必要です。



〜下準備〜

 まずは、グリーンマックスのAU26型冷房装置と、付属のベンチレータを予め塗装しておきます。

 セットには冷房装置から伸びるダクトも付いているので、本当はこれも付けた方が良いのですが、グリーンマックスのこのダクトは、成形されているとおりに屋根に取り付けると、実車の2000系とは向きが逆になってしまうという曲者です。
 削るなどすれば何とかなるかもしれませんが、今回はそこまで拘らなかったので、無視してダクトは取り付けないことにしました。

 パーツには穴に突っ込むための「ぽっつり」がありますが、今回は使用しないので塗装する前にカッターで削っておきます。

 塗装する色は、GMカラーのアルミシルバーで良いと思います。
 ベンチレータは小さいパーツなので、塗料を吹き付けるときに吹き飛ばさないように注意してください。

 この塗装を乾かしている間に、車体の方を加工します。


 列車無線アンテナと信号煙管はそのままで使えます。
 もっとも、私は信号煙管の方は面倒なのでまだ取り付けていませんけど(^^;


〜カット&ペースト〜

 ということで、次に車体をカットします。
 車体はいずれも少し(数ミリ)だけ長めにカットして、シャーシの長さに合わせてヤスリで削り、長さが合ったところで接着します。

 ポイントとしては、ドア部分など、カットして接着しても跡が目立たない部分で繋ぎ合わせます。


 また、普通に繋ぎ合わせると、車体の一番上の部分(雨樋部分)が合いません。
 2000系の方が少し出っ張っているので、ここはカッターかヤスリで削ってしまったあと、ステンレスシルバーを塗ります。



<キロ283−2000>

 先頭部から前位側ドアまでを2000系から、前位側ドアから後方は全てキロ282の車体を利用しました。
 切り接ぎ箇所が1箇所のみなので比較的簡単で、上手くやれば跡もあまり目立ちません。



 2000形の車体を前位側ドアの直後でカットし、ドア部分ぎりぎりまでヤスリで削ります。ただし、より実感的にするためにドアのフレーム部分は残しておきましょう。
 それ以外の部分は今回は使いません、、、少々勿体ないですが。


 キロ282形の方は、2000形の前頭部をくっつけたら、ちょうど種車のシャーシにぴったり収まるぐらいの長さになるようにカットします。

 屋根は車体を繋ぎ合わせた状態でぴったり合うようにカットします。

 もちろん、窓ガラスもそれに合うようにカットします。
 窓ガラスは、いきなりニッパで大きく切ろうとすると、一気に割れるようにヒビが入って悲惨なことになる場合があるので、カッターで切り込みを入れてからカットするか、少しづつカットします。


 座席の方は、車体をカットしたのと同じ位置でカットすればOKです。
 なお、私は無精して今回は省略しましたが、客室と出入台デッキの仕切を追加すればより実感的になるでしょう。



 Bトレインの方に余計な(?)連結用具がたくさん付いていて、そのままでは入りませんので、Bトレイン側とシャーシ両方を適当に削ります。



 2000形の方は窓の上下と黒いジョイナーを、機能が損なわれない程度にぎりぎりまで削ります(でないと入りません(^^; )。

 キロ282の方も、特にスカートの取付部をカギ状にカットしないと綺麗に収まらないので、実際に位置を合わせながら少しづつカットします。
 カプラーは種車に付いていた、ボディマウントタイプの密自連形カトーカプラーを使い回していますが、シャーシに固定するツメの出っ張りが、Bトレインの黒いジョイナーと干渉してちゃんと入らなかったので、思い切ってツメをカットして接着剤で固定しました。



<キハ283−2100>

 先頭部と出入ドア部分+αを2000系から、車体中央部と後位側車端部をキハ282から持ってきました。
 切り接ぎ箇所が3箇所有り、他にも色々障害があって、少々難儀しました。



 2100形の方は、まず前位側は2000形と同様にドアの直後でカットします。
 後位側は、ドアの一つ前の小窓のところでカットします。種車のキハ282形にはこの小窓が無いので、そこだけBトレインから流用します。

 キハ282形の方は、前位側(ドアのある側)は列車名表示器を残してドアの直後でカットします。
 後位側は、まず前から数えて6個目の窓の後位側の柱の部分でカットします(柱は全て残します)。言い換えれば前から7個目の窓の前端部分でカットします。
 そして、一番後端(車端)部分は、全ての部分を繋ぎ合わせた状態で、シャーシにぴったり収まるぐらいの長さにカットする必要があります。



 座席部分については、前位側(上画像右側)は、デッキの仕切を残すような感じでカットしました。
 後位側は、前から13列目のところでばっさり切り落としました(14列目のシートバックを残してカット)。

 シャーシの前位側については、窓ガラスやジョイナーと干渉しないように出っ張りを削ったり、スカートの形状に合わせてカットしたり、カプラーを接着してしまうなど、キロ283−2000形と同様な処理をしています。


 なお、屋根はカットする必要はありません。


 ただしそのままでは屋根が綺麗に収まらないので、Bトレインの部分の車体と屋根のジョイント部を削る必要があります(下画像)。





 ・・・で、上記の通り組み立てると、実は屋根の前後端を固定することができなくなります(苦笑)
 要は、屋根側と車体側の引っかける部分(屋根側のラッチと車体側の溝)が、中央部を残して無くなってしまうのです(^_^;



 私の場合は、屋根の方に┘型のプラスチック部品を接着剤でくっつけて、それを車体側の天井部分に引っかけるという方法を採りました(上画像)。少々強引ですが、通常使用には充分な強度で固定されています。
 ちなみにこのプラスチック部品は、なんちゃって2000系製作の先日に、383系(883系)に併結用カプラーを取り付ける改造を行った際に同車から取り外した、ダミースノープロウを利用しましたが、とにかくカギ状の部品ならOKです。


 また、後位側の方はカットする位置の関係から車体左右を繋ぐ「梁」が無くなってしまって非常に不安定になりますので、余剰部品を使って補強しておく方が良いでしょう。
 補強するときは、屋根の幅とちゃんと合うように、屋根をはめ込んだ状態で行うのが良いでしょう。



〜部品取付〜

 屋根上の部品を取り付けます。


 まずは、AU26形クーラーを2基設置します。
 両形式とも、客室中央から見て前後点対称の位置になるように設置します。設置位置について、私は自分のHP(当HP)の実車の2000系の画像を参考にしました(^^;


 ベンチレータは冷房装置の間とその前後に計3個設置します。
 設置位置については以下同文(w
 もっとも私の場合、今回はキロ283−2000形の方は前後の2個は省略してしまいましたけど・・・


 列車無線アンテナと信号煙管を前位側運転台上の屋根に設置します。

 列車無線アンテナはそのまま接着剤でくっつければOKですが、信号煙管は精密ドリルで穴を開けて突っ込んだ方が安定が良いと思います。

 キロ283−2000形の場合は、後位側に公衆電話用の小型アンテナを設置するとより実車のイメージに近くなります。
 ちょうど後位側乗務員室上のあたりに、アンテナ設置用に小さな穴が開いているので、そこにキハ283系のセットに付属している(はず)の小型アンテナを設置します。



〜カラーリング〜

 車体のカラーリングについては、私の場合は2000系の車体部分については、全く手を付けずにそのまま利用しました。


 キハ283系からの流用部分については、車体をラッカー薄め液に浸けて特にドア部分の塗装だけは落としました。ドア部分以外については、どのみち同じ色で塗装するため、敢えて全て落としませんでした。


 元の塗装を落としたら、GMのステンレスシルバーで塗装します。
 この時、今回の私のようにカット&ペーストをしてしまった後で再塗装する場合は、当然ながら2000系からの流用部分は全てマスキングしてやる必要があります。

 ステンレスシルバーが乾いたら、ドア部分以外をマスキングして、ドアをスカイブルーに塗ります。
 タミヤのスカイブルー塗料を使用しましたが、よ〜く見ても2000系のドアとの色差は判りません。


 車体の再塗装が終わると、次は窓枠部分をマスキングして黒く塗装します。
 キロ283−2000の場合、窓枠部分の中で特に柱の部分が窓パーツの方に組み込まれていて、車体側の方には窓枠が無いため、窓パーツの柱部分を塗装しました。
 ここは通常の塗料を使用するよりも、細めの油性マジックの方が簡単そうだったので、マジックで塗ってしまいました。


 最後にサイドのスカイブルー帯ですが、特に細い方のラインは塗装が難しいので、シールにしてしまった方が簡単です。市販のノーカットタイプのA4サイズ・シール印刷用紙(できれば写真用でない薄手の光沢/半光沢タイプ)を買ってきて、それに印刷して適当な大きさにカットして貼り付けます。
 色は #12E8E8 ぐらいですが、プリンタの特性や設定などによって、実際の色の出方が変わるので、実際に小面積で試し刷りして色合わせをしながら微調整するのが良いでしょう。


(N2000系の場合)

 私はまだ作っていませんが、N2000系の場合は、先に赤と青の部分を塗装してから、窓枠の黒を塗った方が良いと思います。
 あと、厳密には赤と青の境界部分は「白」が入っているので、拘る方はこれも再現しても良いでしょう(^^;



〜今回の要改善点〜

 以上、今回初めてぶっつけ本番で作成した後になって、または作成途中で「あぁ、こうすれば良かった」と感じた点を上げておきます。



<車体・塗装関連>


 再塗装する前に車体をカットして接着剤で接着してしまったため、元の色を落とすのはドア部分だけに限定しましたが、再塗装してから接着しても良かったかも知れません。



 2000系の部分と、キハ283系の部分では、側面のステンレスリブの造形が異なるので、そのまま繋ぎ合わせると段差が生じます。
 キロ283−2000の場合は車体部分はほとんど全てキロ282の流用なので目立ちませんが、キハ283−2100の方は繋ぎ目の部分でこの段差が目立っています。この段差が気になる人は、Bトレインショーティの方のステンレスリブを少し削ってしまった方が良いかもしれません。
 もちろん再塗装が必要になりますが、削った部分だけの再塗装で間に合うと思います。色はもちろん、GMのステンレスシルバーで。



 また、車体のステンレスシルバーについても、両者で微妙に色合いが異なります。
 きちんと色を合わせるのであれば、塗る面積が少ない2000系の方を、GMのステンレスシルバーで塗った方が良いでしょう。実際、キハ283系のステンレスシルバーとGMのステンレスシルバーは全くと言っていいぐらい同じ色合いなので、そちらに揃えた方が楽です。



 キハ283−2100形の車体のカットについて、特に後位側がかなり悲惨な状態になってしまいました・・・
 2100形の後位側から流用するのはドアと小窓部分のみにして、キハ282形からの流用部分をもう少し多くした方が、多少は見栄えが良かったかもしれません。

 未確認ですが、そうすれば後位側の屋根固定用のラッチが、種車の物がそのまま使える可能性があります。



<工具類>

 使用したヤスリは、やや目の粗い物でした。
 なので、長さ合わせのために車体を削る分には効率が良かったのですが、削った跡に若干スジが残る場合があり、もっと細めのヤスリで仕上げをした方が良かったかも知れません。
 液状の瞬間接着剤だと隙間があると固着しにくい物があるので尚更です。私の場合は、ゼリー状の物を使用したので問題はありませんでした。




 ・・・・もう1セット作りたいな(^^;


 でも実際に作ってみて、改めて実感しました、、、、、

 とりあえず、「それらしい顔と色が付いていれば、それらしく見えるもんだなぁ〜」(笑)


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