1200形 一般形気動車


高徳線 徳島駅
2008年8月15日



 2006年6月1日時刻修正に伴う、新型1500形気動車の登場に合わせ、従来型の1000形気動車を1500形との併結運転ができるように改造した形式。


 外観上は塗色変更が大きな変更点で、この他には、連結器が密着自動連結器から電車タイプの密着連結器に変更され、電気連結器も追加された。
 客室関係では車椅子対応トイレが設置されたのみで、駆動系については変更は無い。

 なお、最初に改造された1256形については新たに1500形の物と同じドア開閉用ボタンが追加設置されているが、以降の車両については1200形に改造されるより前に既に開閉ボタンが設置されている。



 形式は改造種車に200番をプラスした番号が付与されている。
 2006年度の改造は1256形の1両のみで、当初は1形式1両のみという珍車であった。

 2008年度から本格的に(?)改造が始まったが、第1次量産車(1001〜1028)は改造対象から除外されている。

 〜2008年6月改造落成〜
 1231/1250/1252

 〜2008年7月改造落成〜
 1246/1247/1249/1255

 〜2008年8月改造落成〜
 1229/1230/1248

 〜2008年9月改造落成〜
 1232/1235/1245/1254

 〜2008年10月改造落成〜
 1244/1251/1253


 2008年度中で一応改造は完了した模様で、合わせて18両が登場している。
 運用については、当初は1500形の代走的運用であったが、数が増えてきたことから1000形および1500形のいずれとも運用が分けられている。


 なお一番最初に登場した1256形については、当初は1500形に合わせた塗装となっていたことから、その後登場した他の車両とは塗り分けや色合いが異なっていたが、2010年1月に他車と同じカラーリングに変更されている。
 
 (登場時) 2006年6月3日
 (現在) 2010年1月25日


 18両全車徳島運転所の配置で、1500型と同様に東四国の全線全区間で運用されている。


 ごく希に運用変更により意外なところに姿を見せることもあり、最近では2016年3月20日に土讃線1224M(所定6000系)の代走として土讃線の多度津まで入線している
 これは「サンライズ瀬戸」の琴平延長に伴う運用変更のためで、1500形も同様に高松〜多度津〜琴平間の運用に入ることがあったが、これは2019年3月改正以降は無くなっている。


 登場時の1256形を別にすれば、改造年次等による外観の差は基本的に無いが、車体などは種車の1000形の物をそのまま使用していることから、1000形第4次車(1051〜1056)を種車とした1251〜1256形のみ、屋根上の列車無線アンテナが標準仕様の通常の太い無線アンテナを搭載しているほか、後部標識灯も当初からLED仕様となっている。



室内


 前位側から後位側を見たところ。

 室内は、トイレが設置されている以外にも車椅子スペースの設置と、中央扉横のクロスシートのロングシート化が行われており、1000形の車椅子対応トイレ設置車両と同じ配置となっている。

 1000形の場合は、4人掛けボックスシートが4箇所の車両と5箇所の車両が存在するが、1200形は1000形の第2次車以降を種車としているため、全て4箇所で統一されている。

室内


 後位側から前位側を見たところ。

 トイレは後位側出入口横のロングシートとクロスシート1.5ボックス分を潰して設置されている点も、1000形のトイレ設置車と同様である。
運転台


 画像は1231形の前位側で、1000形時代から特に変更は加えられていない。

 マスコンは横軸式、ブレーキは縦軸式となる。
室内のLED案内表示器

室内側ドア開閉ボタン


 室内側のドア開閉ボタン。1500形と同一の物と思われる。

 閉じることも出来る。
室外側ドアボタン


 これも1500形のボタンと同一のようだ。
 室外側からは扉を閉めることは出来ない。

 開閉ボタンは、1256形のみ1200形化改造の際に設置、それ以外は全て1000形の時代に既に設置されている物をそのまま継続使用している、

押しボタンとLED表示


 前後ドアのボタン脇には、ワンマン運転時に使用する出入口表示のLEDがある。

 此方は1000形として新製された当初から付いているもので、7000系と同一部品と思われる。
形式表記


 書体は1500形と同一のように見える。

 古い方の表記を剥がした跡も残る。
製造銘板


 種車のものをそのまま継続使用している模様。

 そのため、JR四国の正式社名と異なる「金矢」標記となっている。
色違い


 最初に登場した1256形(画像左側)は、当初はその後登場した車両とは、塗り分けが異なっており、グリーンの色合いも違う。

 1256形については、2010年1月に通常の塗り分けに変更された。

色合いの差


 1200形のグリーンは、1500形のそれとは色合いが異なる。

 最初に登場した1256形が、その後登場した他の1200形と色違いになっていたのは、同車が当初は1500形の予備車的存在で、1500形の色に合わせていたため。

LED標識灯


 1251〜1256形の6両は、後部標識灯がLEDとなっており、コレは種車である1051〜1056形の落成当初からの物である。
1255形の列車無線アンテナ

2008年8月15日
高徳線 徳島駅

 1051〜1056形を種車とする1251〜1256形は、通常タイプを搭載。
1249形の列車無線アンテナ

2008年8月15日
高徳線 徳島駅

 1251〜1256形を除いた12両は、改造種車の1000形の細いアンテナをそのまま継続使用している。


2023年5月12日
高徳線 徳島駅

 2022年11月27日から1年間の予定で登場した、DMV宣伝用のラッピング車(1255形)。

2008年8月15日
高徳線 徳島駅

2008年8月15日
高徳線 徳島駅



 1200形は、基本仕様は種車の1000形を継承しているため、1000形の個体差が1200形にも継承されている。
 上記の列車無線アンテナの他には、第1位端に設置されている排気管の屋根上形状も異なっており、1248形までは屋根とほぼ面一なのに対して、1249形以降では太い排気管が大きく張り出している。




(前面補強)

 1000形気動車をベースに改造された1200形は、1000形と同様にはステンレス車体を基本としつつ前面部分は普通鋼製を使用したハイブリッド構成となっている。

 この普通鋼製部分が経年劣化してくる事象が発生したことから、その補修と補強を行う改修工事が、遅くとも2011年度から始まっている。
 改修施工された車両は、施工された部分の正面窓枠がオリジナルの黒からグレーのものに変更されており、一目で区別が付く。


 2023年9月現在ではまだ全車に普及していない模様である。

 なお、1000形で見られた”片方だけ施工”済みの車両は、1200形では当方は目にしたことがない。



 改造から間もない1230形ほか。
 オリジナルの黒窓枠の状態。


 灰色窓枠の1256形。


 手持ち画像で初めて改造施工が確認出来る事例。2012年2月18日、高松駅で撮影した1231形。



(貫通幌交換)

 1200形気動車の貫通幌は当初は改造種車の1000形から引き継いだローカル車両用の鉄製枠のグレーのものが使用されていたが、2021年度末から翌年度前半にかけて漏水防止および緩衝用と思われるゴム当ての付いたタイプに交換されている。
 同じ徳島配置の1000形および1500形も同時に交換されており、高知配置の1000形よりも3年ほど遅れての交換となっている。

 一見すると従来の幌にゴム当てを付けただけのように見えるが、”取手”の部分が普通鋼からステンレスに変わっており、別物である。



 オリジナルの幌。
 ゴム当て無し。


 新しい幌を装備した1248形。





<1200形運用列車>
 (2021年3月13日改正)

 1500形とともに、徳島地区の主力として全線全区間で運用が見られ、1500形が1200形の代走、あるいはその逆のパターンもあり、両車の併結運用もあることから事実上共通運用といっても良い。
 1500形同様に、徳島地区では狙って乗るよりもむしろ避けて乗る方が難しいぐらいになっているため、特殊な運用のみ記載する。

<高徳線>(4両編成)
 310D/312D

<徳島線>(4両編成)
 436D/438D/478D(アナ〜トク間)





形式
1200形
車体
 車体関係では塗色の変更程度にとどまっている。
 なお、トイレ部分にアンパンマンのシールが貼付されている車両も存在する。
屋根
 屋根上は、オリジナルの1000形からの変更は無い模様。

 なお、列車無線アンテナが上画像のように一般的な太いタイプになるのは1251〜1256形の6両のみで、それ以外は改造前の1000形からそのまま引き継いだ細いタイプとなる。
製造元 新潟鐵工所
(改造:多度津工場)
改造両数 18
(2008年10月15日現在)
最大外寸21,300 mm
2,894 mm
3,825 mm
台車中心距離14,400 mm
重量
(オリジナルより若干増加?)
車体ステンレス
機関形式
出力
SA6D-125H
400PS/2,100rpm
変速機 DW14C
(変速1段・直結2段自動変速)
最終減速比
燃料タンク容量
ブレーキ方式 機関・排気ブレーキ併用
電気指令式空気ブレーキ
ブレーキ装置踏面片押
台車形式S-DT57/S-TR57
軸距
車輪直径
2,100 mm
860 mm
冷房装置 S-AU26
28,000 〜 40,000 kcal
客室暖房装置
許容最高速度110km/h
車体構造・客室3扉セミクロスシート
ドア幅 1,000 mm × 2
1,300 mm × 1
シートピッチ1,500 mm
床面高さ1,150 mm
乗車定員141(座席:75)


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