1000形 一般形気動車


土讃線 朝倉駅
2008年5月8日


 民営化直前に投入されたキハ54形やキハ32形は当時の国鉄本社で設計され、投入地域の実状にあっていない部分が一部あったほか、在来車との併結(同じ1本の列車として編成すること)を前提としていたため、性能的にもやや中途半端なところがあった。

 そこで、2000系特急形気動車の駆動系を利用した、地域密着型の高性能気動車として1990年3月のダイヤ改正で登場した。

 車体はJR四国の新車の「標準」とも言えるステンレス製で、全長21.3mの大型車体を持つ。
 エンジンは2000系の物をベースに出力増強を果たしたSA6D−125H(水冷直列6気筒12.5リッター24バルブ/400ps)を1基搭載。

 台車は軽量ボルスタレス式のS−DT57/S−TR57を履く。



 そのほか、電子制御による3段変速式のトルクコンバータ(液体変速機)やブレーキシステムも2000系と同じものが採用されている。


 客室はロングシートとボックスシートが千鳥配置された独特の座席配置となっている。出入り口扉は3カ所だが、ワンマン運転時は中央の扉は閉め切り扱いとなるほか、いずれの扉も自動/半自動の切替が可能となっている。
 最初は奇異に感じたこのレイアウトも、狭いエリアに利用の多い都市部と閑散区間が混在している四国内では最適な配置であると感心するようになった。


 1989年度は第1次車として28両(1001〜1028)が新潟鉄工所で製作されて全車両が徳島運転所に集中配置され、これによってキハ20/23/35系が1990年3月改正をもって全て定期運用を離脱した。

 1991年度末に第2次車として製造された20両(1029〜1048)は、16両(1033〜1048)が高知運転所に配置され、これにより同区のキハ58系に廃車が発生している。残りの4両は徳島は新製配置となった。

 1994年度末に第3次車2両(1049〜1050)が増備され、徳島地区へ投入された。

 1996年度末に第4次車として6両(1051〜1056)が製作され、1997年3月改正から徳島地区で運用を開始した。

 総勢56両が増備されて、徳島・高知地区で運用されていた。


 製造年次による外観上の変化は少ないが、目立つ変更点としては最終増備の第4次車のみ、屋根上の列車無線アンテナがそれまでの細いタイプから通常の一般的な太いタイプに、また後部標識灯が落成当初からLEDとなっている。
 このほか、第1次車(1001〜1028)とそれ以降の車両ではスカートの形状が異なっているが、これは連結器の受け枠の幅を広げたことによるジャンパ栓の配管変更に伴うものである(下記「導入後の動き」参照)。


〜小ネタ〜
〜導入後の動き〜
〜運用等〜
〜諸元〜


1017形の運転台

土讃線 讃岐財田駅
2011年4月17日

1033形の運転台

土讃線 窪川駅
2008年5月17日

 左上のスイッチ類を収めた制御盤のデザインが←の1017形と異なっているが、コレは車両の前/後位によって相違があり、←が「前位側」、↑が「後位側」になる。
製造銘板


 JR四国は正式社名に通常の「金失」を採用しているが、製造銘板の文字がおそらくはメーカーの手違いで他のJR各社と同じ「金矢」になっている。
車外側のドア開閉ボタン

予讃線 多度津駅
2021年2月16日

 1500形気動車の導入後に1000形気動車についてもドアボタンの設置が始まり、2007年度から2008年度にかけて、1500形のと同じタイプの物が全車に取り付けられた。
車内側の開閉ボタン

土讃線 須崎駅
2020年5月13日

 室内側も1500形と同じタイプの物が設置されている。
客室
第1次車(トイレ無し)

土讃線 讃岐財田駅
2011年4月17日

 第1次車である1017形の前位側から後位側を見たところ。
 クロスシートとロングシートの千鳥配置で、登場時はこのような配置は非常に珍しかった。

 クロスシートは前位側と後位側に各4ボックス配置されている。
 7000系7000形も似た配置だが、中央扉横のボックスシートがロングシートになる点が異なる。
客室
第2次車(トイレ無し)

土讃線 窪川駅
1998年12月27日

 第2次車である1042形のトイレ設置前の室内の様子。
 後位側から前位側を望む。

 中央ドア横のボックス席がロングシートに変更され、7000系7000形と同じ座席配置となっている。以降の増備車もこれと同じである。

予讃線 高松駅
2006年11月26日

 後年設置改造された、車椅子対応トイレ。

 トイレは出入口横のロングシートとクロスシート1.5ボックス分を潰しているため、トイレの隣は2人掛けクロスシートとなっている。
トイレ内部


 水タンクは奥の壁面内に設置されている。
車椅子対応スペース
(トイレ付き車)


 車椅子対応トイレの設置と同時に、中央扉の後位側(トイレのある側)のシートを撤去して車椅子対応設備が設けられている。
客室
(トイレ付き車)

土讃線 須崎駅
2020年5月13日

 トイレ付き車両の室内を、左と同様に前位側から後位側を見たところ。

 画像は1018形で、中央扉脇の画像向かって左側のボックスシートが撤去されているが判るが、その対角線側はボックスシートのままになっており、4人掛けボックスシートが全部で5箇所となっている。

 第1次車(1001〜1028)がこのパターンとなる。
客室
(トイレ付き車)

予讃線 高松駅
2006年11月26日

 トイレ付き車両の車内を、トイレが設置されている後位側から前位側を見たところ。
 トイレは車椅子対応で、向かい側が2列分の一人がけ一方向きクロスシートに変更されている(但し1002形だけはオリジナルのロングシートのままになっている)。

 この車両はナンバー不明だが、ボックスシートが全部で4つしかないのが判る。第2次車以降(1029〜)は全てこのパターンとなっている。


 客室内の床面にある点検蓋。

 第1位側(エンジンのある側)から数えて3つめのボックス席の横にあり、ここは丁度エンジンの真上に位置する。


 1エンド側出入口横にある、排気管の立ち上げスペース。
客室に備えられている避難はしご


 緊急時に安全に車両から線路へ降りるための避難梯子が備え付けられている。


 前照灯と後部標識灯ユニット。

 後部標識灯は白熱電球が基本であるが、第4次車(1051〜1056)のみ、LEDとなっている(右項)。


 前照灯部分のアップ。

 小糸製で、「SEALD BEAM」の文字が見える。



 後年1200形に改造された1053形。
 最終増備車である1051〜1056形の6両は、落成当初から後部標識灯がLED仕様となっている。




高徳線 木太町〜屋島間
1991年7月24日

 登場からまだ間がない頃の1000形2連の高徳線ローカル。

土讃線 佃駅
1997年6月8日

 徳島線の4両編成ローカル。

高徳線 徳島駅
2003年9月18日

 通常の営業列車では見られないが、運転所内などではキハ40系と連結した姿も希に見ることが出来る。

土讃線 高知駅
2007年9月21日

 土讃線の帰宅時間帯4両編成列車。
 通常営業運転では4連が最長編成となる。

土讃線 影野駅
2008年5月17日

 勾配を登り詰めた駅で交換する1000形単行のローカル。

 この頃はドア開閉ボタン追加改造工事の過渡期にあたるが、高知配置車は徳島配置車よりも改造施工が後回しにされ、この2両もまだ未設置である。

高徳線 徳島駅
2008年5月22日

 徳島駅で並んだ、3本の1000形列車。

 高知配置車よりも徳島配置車の方が開閉ボタン設置改造が早く進捗しており、左端の1047形(この撮影の2ヶ月後に1247形に改造)と、中央の1048形(同3ヶ月後に1248形に改造)は既にドアボタンが設置されている。
グレー塗装窓枠の1042形

予讃線 多度津駅
2016年2月3日

 (当方手持ち画像では)2016年に初めて存在が確認された、グレー塗装窓枠車。
 1000形の前面窓枠は本来黒塗装だが、前面腐食対策施行車について識別のために施工部分の窓枠をグレーに交換している。

 なお、同様な変化は1200形にも見られ、此方は2011年度末から存在が確認されており、1000形も同時期に始まっていた可能性が高い(詳細下記「導入後の動き」参照)。

土讃線 豊永〜大田口間
2016年4月6日

 春色に染まった土讃線を行く1042形。

土讃線 讃岐財田駅
2019年2月23日

 車体はドロドロだが、よく見ると貫通幌だけはピカピカで、しかも従来と違って緩衝用ならびに水漏れ防止用とみられるゴム当てが付いているのが判る。

 この日以降、同様な1000形を相次いで確認しているが、2018年度は高知運転所配置車を優先的に交換を行った模様で、徳島運転所配置車については2021年度末に実施されている。

土讃線 大歩危駅
2019年4月25日

 何故か、運転助手席側の窓枠のみがグレーとなっている1023形。

土讃線 高知駅
2019年9月29日

 高知地区で朝夕時間帯に見られる、土佐くろしお鉄道TKT9640形との併結4両編成。



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〜小ネタ〜

 1000形は足かけ7年にわたって4回に分けて増備されており、いくつか外観上の仕様変更箇所が発生している。
 以下に、比較的目立つ点について列挙する。

スカート形状変更
(第2次車〜)

 第1次車(1001〜1028)とそれ以降の車両では、スカートの形状が異なっている。
 下画像のように、1次車の前位側スカートには大きな切れ込みが入っているほか、正面向かって連結器右側の支持枠の位置が変更となり、それに伴って開口部の大きさも変わっている。

 これは、連結器の受け枠の幅を広げたことにより、位置的に支障する配管を変更したことによるものと思われる。

1次車前位側
2次車以降の前位側
1次車後位側
2次車以降の後位側


排気管延長
(第3次車〜)

 第3次車となる1049形からは、第1位端に設置されている排気管の形状が変更され、2000系のような太い排気管が屋根上から張り出している。

 排気管は真っ直ぐではなく、車両中心側にやや傾けて延長されている。



 第1次車(1023形の排気管)。


 非常に判りづらいが、第4次車(1053形)の張り出した排気管。


 多度津工場を出場して試運転される1052形。
 張り出した排気管がよく目立つ。


無線アンテナ形状変更
(第4次車)
1020形のアンテナ

予讃線 多度津駅
2011年5月25日

高徳線 徳島駅
2008年5月22日

 1200形改造前の第2次車にあたる1047形。条件次第で背景に溶け込むほど細いアンテナ。
 また、後部標識灯が電球である。

予讃線 高松駅
2003年10月5日

 1200形改造前の第4次車にあたる1055形。通常の(?)アンテナを搭載している。
 また、判りにくいが後部標識灯がLEDとなっている。



アンパンマンステッカー
(高知運転所配置車)

 2000年の10月14日に土讃線で2000系「アンパンマン南風」が運転開始するのに合わせて、高知地区の普通列車にもアンパンマンシールを貼付することとなり、当時高知運転所在籍の1000形気動車16両全車(と、キハ54形気動車12両全車)にアンパンマンのキャラクターシールが貼付された。

 該当車両は1033号車から1048号車までの続番の16両で、前後の両運転台側下部に貼られた。
 ナンバーとキャラクターの対応は下記の通りであり、ナンバーが見えなくても車番を特定できる手がかりとなっていた。


 こちらもキハ54形同様に2005年にデザイン変更が行われたが、キャラクターの変更が行われた車両はなかった模様。
 またデザイン変更に合わせて、貼付場所が運転助手席側(正面向かって左)から運転席側(同右)に変更されている。


 貼付されていた期間は比較的長期に及び、2016年春までは貼付されていたことが当方手持ち画像から確認できる。
 ただし、その期間中(2006〜2007年)に徳島運転所に転属した車両については異動時点で剥がされたほか、逆に徳島運転所から転入してきた車両には貼付されていない。
 そのため、実際に最後まで貼付されていた車両は下記の16両よりは少ない。

 ちなみに16両の内徳島運転所に転属した6両は、全てその後1200形に改造されている。

車番キャラクター備考車番キャラクター備考
1033アンパンマン
1041チーズ
1034カレーパンマン
1042ロールパンナ
1035しょくぽんまん四トクヘ1043クリームパンダ
1036メロンパンナ
1044赤ちゃんまん四トクヘ
1037ばいきんまん
1045ハンバーガーキッド四トクヘ
1038ドキンちゃん
1046おむすびまん四トクヘ
1039ジャムおじさん
1047てんどんまん四トクヘ
1040バタコ
1048ミルクぼうや四トクヘ


 なお、同様なシールは同じ高知運転所所属のキハ54形にも貼付されていたが、貼付箇所が異なっている。

1033/1034形(変更後)
1035/1036形(変更後)
1037/1038形(変更後)
1039/1040形(変更後)
1042/1043形(変更後)
1047/1048形(変更後)
1046形(変更前)


 デザイン変更される前の、1046形おむすびまん。
 デザイン変更に合わせて貼付場所も変更されていた。
1035形(変更前)


 デザイン&貼付場所変更前の1035形。
 上の変更後の画像と比べていただきたい。


 2006年に揃って徳島へ転属し、徳島駅で並んだ1047形(左)と1048形(右)。
 既に剥がされたシールの痕跡もほぼ消えている。
 両車はいずれも、この1〜2ヶ月後に1200形に改造された。


 2007年末に徳島から高知へ転属した、トップナンバーの1001形(2008年5月8日撮影:土佐山田駅)。
 転入車両にはアンパンマンシールは貼られなかった。


 手持ち画像で最後にシール貼付が確認できる例。
 2016年4月6日撮影の1042号車。


 2016年に剥がされた後も2018年ぐらいまでは明瞭にその痕跡が残っていた。
 画像は1038形。


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〜導入後の動き〜


(試験警戒色)

 当方手持ち画像は残っていないが、1993年4月に前面に赤い塗装が追加された警戒色が1両(1007形)にのみ施工された。
 前面の鋼製車体部分のみ、帯の色を赤くしたもので、太さも側面より若干太くなっていた。

 これは他社での重大な踏切事故発生を受けて試験的に行われたもので、四国でも本形式の他にキハ65/58/40形のほか1000形や121系にも施されたが、大きな効果は認められなかった模様で1〜2年ほどで元に戻されている。
 四国ではさらに後年(1996年)に、前照灯の常時点灯施策に移行している。


(トイレ設置改造)

 2000年度からは、車椅子対応トイレの設置改造工事が始まった。

 まずは当時徳島運転所配置の1001形と1002形の2両に設置して2001年3月から運用を開始した。
 1000形気動車へのトイレ設置を報じる、JR四国NEWS No.163

 翌2002年度には、当時高知運転所配置の1035形と1045形にも設置された。


 当初のこの4両はトイレ部分にアンパンマンのシールが貼られていた。(2003年当時の1002形→
 この内の1035/1045形は2008年度に1235形に改造された時に、また1001/1002形も遅くとも2011年以降になって剥がされている。


 このトイレは車椅子対応で水タンクも床置きとしているためかなり広く、出入口横のロングシートとボックスシート1.5ボックス分がトイレスペースとなり、その部分の窓が埋められている。
 さらに、トイレの出入口向かい側席が一人がけのクロスシートになって2列設置されており、鉄道ファンや子供たちにとっての「特等席」となっているが、隣を気にする必要が無いため、一般客にも意外と人気があるようだ。但し、一番最初に改造された1002形だけは、オリジナルのロングシートのままになっている。

 なお、トイレ設置に伴って中央出入口付近のトイレ側のボックスシートが撤去されて車椅子設置スペースになっているほか、その反対側のボックスシートがロングシート化されており、改造前に比べると4人掛けボックスシートの数が8→4に半減している。


 トイレは汚物タンク設置スペースの関係から後位側(エンジンが搭載されていない側)客室に設置されているのだが、徳島配置車は高松側が後位側になるため、高徳線・牟岐線では「上り側」に、徳島線では「下り側」に設置されていることになる。
 また高知配置車の場合は、前位側が高松方を向くように運用されているため、「下り側」にトイレが付く。

 つまり高松基準で見た場合、徳島配置車と高知配置車は向きが逆になっているというわけである。
 しかし、仮に高知配置車が阿波池田までやってきた場合、今度は両車の向きは同じになるという、、、う〜む、奥が深い(そうか?(^^; )


 2005年度末時点では、徳島運転所の1001〜1011/1029/1031/1049〜1056形、それに高知運転所の1035/1045形の合わせて23両が既に施工済みとなっていた模様で、徳島配置車への偏りが見られるが順調に数を増やしていた。
 なお、この内の1001〜1011/1029を除いた車両は、後年1200形に改造された。


 2017年時点までには、残存する38両全車両トイレ付きとなっている。


(速度同期装置取付)

 徳島配置の初期の第1次車については、乗り心地の改善を図るために「速度同期装置」の取付改造が行われ、2003年度に全車両への取付が完了したようだ。

 当初は速度計の下に「速度同期装置取付車」というシールが貼ってあったが、全車に取付が完了した現在はほぼ貼っていない(剥がした)模様である。

 
 1999年4月29日撮影


(1200形化改造)

 2006年6月の1500形導入に備えて、1000形1両(1056形)について、1500形と連結ができるよう改造された。
 改造範囲は、連結器の取り換えとカラーリングの変更程度で、車番は原番号に200番をプラスしたものとなっている。

 その後、2008年から2009年にかけて、1500形第二次〜第三次車の導入に合わせて、第2次車以降から合計18両が1200形へ改造された。


 → 1200形


(ドア開閉ボタン設置)

 出入口ドアの開閉ボタンが設置された。

 1500形気動車に設置されているものと同じ部品と思われ、室内側に「開」「閉」ボタン、室外側は「開」ボタンのみで、2007年度から2008年度にかけて全車に施工された。
 なお、施工については高知配置車よりも徳島配置車が優先された模様で、2007年度に徳島配置車が、翌2008年度に高知配置車への取付が(それぞれの車両基地で)行われている。


(前面補強)

 1000形気動車はステンレス車体であるが、前面部分は普通鋼製を使用したハイブリッド構成となっている。

 この普通鋼製部分が経年と共に劣化してくる事象が発生したことから、その補修と補強を行う改修工事行われている。
 改修施工された車両は、施工された部分の正面窓枠がオリジナルの黒からグレーのものに変更されており、一目で区別が付く。

 当方手持ち画像では、2015年度に初めて確認されるが、2011年度末に1200形に施工済みの例が確認できることから、(当方手持ち画像では確認できないが)1000形も同時期から始まっていた可能性もある。


 2023年9月現在ではまだ全車に普及しておらず、1027形など黒窓枠のままの車両も残存している。



 2023年9月現在もオリジナルの黒窓枠で残る1027形。


 施工済みの1040形。
 窓枠がグレーになっている。


 片側だけ施工された例(1023形)。



(貫通幌交換)

 1000形気動車の貫通幌は当初はローカル車両用の鉄製枠のグレーのものが使用されていたが、2018年度末から翌2019年度にかけて、当時高知運転所配置の1000形について、漏水防止および緩衝用と思われるゴム当ての付いたタイプに交換されている。
 徳島運転所配置車は、それより約3年遅れて2021年度末から翌2022年にかけて1200形や1500形と同時に交換されている。

 一見すると従来の幌にゴム当てを付けただけのように見えるが、”取手”の部分が普通鋼からステンレスに変わっており、別物である。



 オリジナルの幌。
 1025形の例。


 幌の交換された1033形。


 幌交換直後と思われる1022形。
 ご覧のように、車体はドロドロにもかかわらず、真新しいピカピカの幌を装備していることから、工場ではなく車両基地で交換されたものと思われる。





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〜運用等〜

 1990年3月改正で徳島地区に第1次車28両が登場。
 その後は上記の通り4次にわたって小刻みに増備が続き、1997年3月改正での徳島地区への6両追加投入をもって新製投入は終了し、同改正時点で徳島に40両と高知に16両の配置であった。


 1500形の登場まで徳島地区では広く活躍していたが、鳴門線と牟岐線の阿南以南には定期営業列車としての入線実績は無かった。

 1500形の新製投入及び1200形への改造と並行して、未改造車両の徳島から高知への転属が行われ、2008年3月末時点では徳島運転所に31両と高知運転所に24両の合わせて55両となっていたが、2009年4月以降は、徳島に9両と高知に29両の配置となり、高知地区のキハ58系が淘汰された。


 2011年3月改正では、ついに土讃線・多度津〜阿波池田〜土佐山田間への定期列車運用が始まり、これにより土讃線の全線が定期運用範囲となった。
 このために、同区間内の駅でホーム嵩上げが未施工だった駅については、2010年12月までにホームの一部嵩上げ工事を完了させている。
 また、土佐くろしお鉄道 ごめん・なはり線の奈半利まで、普通列車として1往復が乗り入れているほか、後免〜高知間ではTKT9640形との併結運用もある。


 2017年3月末時点で、徳島運転所に第1次車のみ7両、高知運転所に31両の、合わせて38両が残存。


 2019年3月改正では、牟岐線の運用が消滅した。
 これにより定期運用区間は、土讃線・高徳線・徳島線の全線となっている。

 
 2023年度にJR四国では、2両ユニット式の新型ハイブリッド気動車を2027年度から導入すると発表したが、その中で1989年度製造の1000形第1次車も置き換え対象であることが明らかにされた。



<1000形運用列車>
 (2021年3月13日改正)

 高知配置車両は、土讃線の多度津〜窪川間全線で主力として運用されており、避けて乗る方が難しい。また土佐くろしお鉄道線への乗り入れ運用もある。
 徳島地区では4両編成定期運用は消滅し、牟岐線からも撤退するなど少数派に甘んじている。

 高知車・徳島車とも、編成は最長で4連。

〜高知地区〜

<土讃線・高知以西>
 4713D〜713D/715D/721D/718D/726D/4734D を除く全列車

<土讃線 琴平〜土佐山田間>
 全列車

<4両編成>
 719D/745D/218D/716D/724D

<TKT9640形との併結>
 213D/4219D/742D/746D

※併結区間は全て後免〜高知間

<土佐くろしお鉄道線乗り入れ運用>
 5870D 〜 5837D

 ※2023年3月改正時点では 5858D 〜 5869D になっている模様


〜徳島地区〜

<高徳線>
 4311D/363D
 354D/4374D/356D/4376D

<徳島線>
 433D/4441D/461D/465D/473D〜4473D/479D
 440D/4448D/450D/472D/476D/482D


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形式
1000形
車体 (高知配置車海側)
オリジナルはトイレ無し


(高知配置車山側)


(徳島配置車山側)
トイレ設置車
 エンジンの搭載されている側が「前」で、屋上の冷房装置を見ればすぐに判別が付く(大きい方が「前」)。
 トイレはエンジンのない側(=「後」)に設置されている。
屋根
 冷房装置は2000系と同じAU26形だが、後位側に搭載されている物はファンの部分が無い分小振りである
 ベンチレータについては、キハ32/54/185形と同一の物が搭載されているが、キハ54/185に比べて数が1基少ない。
 また、列車無線アンテナが標準的なタイプではなく、細い針状の物を搭載しているなど、意外と特徴的な屋根上である。
 なお、1051〜1056形については、列車無線アンテナは通常の一般的な太いタイプになっていたがこの6両は全て1200形に改造されて現存しない。
製造元新潟鐵工所
製造両数56
残存両数(2017年現在)38
最大外寸21,300 mm
2,894 mm
3,825 mm
台車中心距離14,400 mm
重量 31.5 t
トイレ付き車は 32.5 t
車体ステンレス
機関形式
出力
SA6D-125H
400PS/2,100rpm
変速機 DW14C
(変速1段・直結2段自動変速)
最終減速比
燃料タンク容量
ブレーキ方式 機関・排気ブレーキ併用
電気指令式空気ブレーキ
ブレーキ装置踏面片押
台車形式S-DT57/S-TR57
軸距
車輪直径
2,100 mm
860 mm
冷房装置 S-AU26
28,000 〜 40,000 kcal
客室暖房装置
許容最高速度110km/h
車体構造・客室3扉セミクロスシート
ドア幅 1,000 mm × 2
1,300 mm × 1
シートピッチ1,500 mm
床面高さ1,150 mm
乗車定員 151(座席:80)
トイレ付き車は 141(座席:75)

※さらに詳細はスペック一覧表参照


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