<20フィートコンテナ>
〜タンクコンテナ以外〜

 20フィートコンテナは通常のコキ車に3個まで積載可能。

 12フィートと組み合わせるときは、20×1+12×2、または20×2+12×1 などと組み合わせる。
 重量バランスを取るため、コキ車1両に2個積載する場合は、両端に積むケースが多い。


ドライコンテナ
通風コンテナ
冷蔵コンテナ
定温コンテナ
無蓋コンテナ
海上コンテナ



ドライコンテナ

 濡れてはいけないモノを運ぶ箱形屋根付きのコンテナ。
 一般貨物用の他、通風タイプや定温輸送用、そして少数ながら冷蔵タイプも存在する。
JR貨物保有・一般貨物用

JR貨物30Aの第1次型

 このグループは側面の凸凹が大きいタイプと、このように比較的フラットなタイプが存在する。

 両側面が大きく開く構造となっている。


 30A全体では2010年1月時点で保有数406個、2016年2月時点では231個となっており、特に初期のスカイブルーのタイプはほとんど見かけなくなった。

 2024年時点ではほぼ絶滅していると思われる。


JR貨物30A−195

 これは第2次型で、筐体の下部が黒塗りになっているのが特徴。

 また、「JR貨物」表記ではなく「日本貨物鉄道株式会社」と正式名称が表記されているのが珍しい。

JR貨物の30A−203

 遠目にも「ちょっと中途半端に塗り替えました〜♪」オーラがムンムンと漂っていた、怪しい30Aコンテナw

 2014年に目撃・撮影したものだが、以降は全く見かけないことから、試験塗装的なものかしらん?

JR貨物30A−243

 広島貨物(タ)常備。

 この個体も「JR貨物」ではなく正式名称(日本貨物鉄道株式会社)が表記されている。

JR貨物30A−269

 「苫小牧−隅田川・梅田間専用」の表記がある30A。

 また、「環境にやさしい〜」のロゴが追加されている。


JR貨物30A-1043
(土浦駅常備)

 こちらは。「土浦駅常備」のシールがある、同じく第3次型の30A。

 荷票を挿す場所には、土浦へ回送する空コンテナである旨明記されていた


JR貨物30A−1050

 こちらは第3次型。


JR貨物30A-1170 
(水戸駅常備)

 「水戸駅常備」の表記がある、第3次型の30A。

 「備」の右側に見えるのは「備」の文字の一部で、他に「広島支店 大竹駅常備」という白表記も残っており、恐らく前の「大竹駅常備」というシールの上に重ね貼りしたのが、一部はみ出しているものと思われる。


JR貨物の30B−41

 側面のみが開く30Aに対して、こちらは妻面も加えた三方開きタイプの30B形。

 内容積は30Aと同一らしいが、30A/30B/30C(30D)は微妙に各サイズが違うようだ(↓参照)。


 30B形は意外と少数派で、総製造数は60個。2024年初時点の在籍数は27個。


JR貨物の30B

 梅田・大阪←→札幌の区間標記の入った30B形。

JR貨物の30C−23

 運用区間表記のある30C形。
 大阪〜北海道間の表記であるが、もはや特に拘ってないのかも?w


JR貨物の30C−37

 30Cは30Bと同様に、両側面&妻面の三方開きタイプ。
 30Bに比べて微妙に容積が拡大されているが、外見だけで判別するのはかなり難しい。

 この個体は、運用区間指定表記を消した痕跡が残っている


 30C形の総製造数は68個。2018年まで全数健在だったが、2024年初時点での在籍数は63個。

30Cと30D

 新居浜駅で積み上げられた30Cと30D。

 30Cは上段右端の画像と同じ「−37」だが、新居浜駅常備という文字とそれを示す札が追加されている
 「四」のフォントが、いかにも国鉄チックなイメージを醸し出している。

新居浜にて


30Cと30D

 此方は高松で同様に積み上げられていた、表記違いの30Cと30D。

 標記されている運用区間に関わりなく、柔軟な運用が行われている。

JR貨物の30D−79

 三方開きタイプの30D。

 ↑を撮影した2006年12月29日時点で、JR貨物公式サイトのコンテナサイズ表にも載っていなかった形式であるが、画像から察するに、全長は恐らく30Cと同じ(30Aよりも92mm長い)と思われる。

 2007年3月改正に合わせて100個が初めて新製され、以降は思い出したように増備が続いて、2016年2月時点では在籍数150個、となっている。

JR貨物の30D−207

 2016年製作の、撮影当時の最新ロットの模様で、19Dの最新ロットと同様にシンプルなデザインとなっている。

 2019年頃まで増備が続いていた模様で、総数250個が製造されたが、2024年初時点の在籍数は249個。

 JR貨物時刻表に記載の資料から、30x系の微妙な違いを検証。


内法寸法
(H:)
(W:)
(L:)
妻入口寸法
(H:)
(W:)
側入口
寸法
(H:)
(W:)
荷重
(t)
容積総製造数
30A 2,178
2,328
5,960
- 2,061
5,961
9.030.3510
30B 2,183
2,328
5,981
2,065
2,240
2,065
5,861
8.830.360
30C 2,178
2,328
6,007
2,061
2,200
2,061
5,961
8.830.468
30D250


う〜ん、微妙微妙(^^;
私有コンテナ・一般貨物用
UC7(残存数181個)

UC7−10756

 日本フレートライナー保有のUC7形。

 現在総数336個で、そのうちの初期ロットはこのように側面の凸凹が大きい。

 この下には比較的フラットなタイプが置いてあったが、このときは残念ながら撮影できず・・・・


西濃運輸 UC7

 西濃運輸のUC7−10738。
 「カンガルー 特急便」の文字入り。

 さらに、消えかかってはいるが、青帯の部分に「西濃運輸」の文字が書かれている。

 妻面一方開きとなっている。

西濃運輸 UC7

 西濃運輸のUC7−10822。
 こっちは、「特急便」ではなく、「引越便」と表記されている。

 青帯部分の文字も、こちらははっきり読み取れる。
 妻面一方開きタイプ。


西濃運輸 UC7

 西濃運輸のUC7−10988で、UC7としては末期のロット。これも妻面一方開きとなっている。

 「特急便」「引越便」の別は無くなり、単に「カンガルー便」となったほか、「SEINO」とローマ字表記になっている。

 後継のU31Aにもこれとほぼ同じデザインのモノがある。


後日、同型番の番号違いを見つけたのだが・・・

中央付近に書かれている「航送」の
文字の間隔が違う(^^;

えっ、どうでもいいって?(w

 ところで、UC7は通常は妻面一方開きか、またはL字二方開きだが、中には妻面両開きという珍しい個体もあることが判明。


西濃運輸
UC7−10723

 撮影してから個体をよく見たところ、前後の妻面両方に開閉扉用のヒンジらしき物が見えたので、念のため確認すると、珍しい妻面両開きの個体と判明。



 前後の判別が難しくなるためか、コンテナに「F」「R」の文字がペイントされており、これが側面からの判別のポイントになりそうである。


 ちなみに、この下に置いてあったU30Bは通常(?)の妻面一方開きとなっていた。



西濃運輸 UC7

 ほぼ同じロットであるが、妻側の蝶番の有無から、よく見ると左右違う側面で、文字やカンガルーのロゴの位置など、色々違うのがよく判る。


 蛇足であるが、この下側のコンテナは、現在セリアで販売されているコンテナ小物入れのモデル筐体と1番違いの番号である(笑
U30A(残存数198個)

日本フレートライナー
U30A−64

 かなり年季の入っているように見受けられる、日本フレートライナー保有のUT30A−64。



西濃運輸
U30A−101

 UC7の後継として登場したが、妻面一方開きで荷扱いの作業性が良くないことから、L字二方開きのU31Aに移行し、数はあまり多くない。

 初期のロットなので、側面の凸凹が多い。


福山通運
U30A−126

 黄色い筐体が目印の、福山通運U30A−126。
 妻面一方開きとなっている。

 こちらは後期ロットなので側面が滑らか。


日本通運
U30A−5003

 携帯で撮った画像なのでちょっと汚いけど・・・(^_^;

 松山駅で見かけた、日本通運のU30A形5000番台。側面二方開きのようで、形態的にはJRの30Aとほぼ同じように見える。


松山駅にて
U30B(残存数338個)

西濃運輸U30B−24/38

 薄黄色の筐体に青いラインの、西濃運輸保有U30Bの初期ロット・旧塗装バージョン。

 番号違いが2個それぞれ逆向きに置いてあったので、両方撮影。画像を見れば判るとおり、これも妻面1方開きタイプ。

 初期の側面凸凹バージョン。


西濃運輸U30B−79

 相当使い込んでいる、西濃運輸のU30B。

 塗装は落ち、所々錆も浮いている。

 四国へ来る西濃運輸の20フィートって、ほとんどこんなのばっかりみたいな気が・・・


西濃運輸
U30B−308

 え〜っと、ごめんなさい、これで勘弁してください(^^;
 こういう状態で置いてあったので、これで精一杯です(苦笑)

 西濃運輸・U30Bの新塗装バージョン。


 う〜ん、多分これも妻面一方開きだろうねぇ〜(^_^;


 後日、全体画像をゲット。


西濃運輸
U30B−144
U31A(残存数506個)

福山通運 U31A−158

 登録数としては、私有20フィートコンテナの中では、UM12Aに次ぐ勢力となっている。

 荷役の作業性改善のため、妻面と側面が開くL字二方開きタイプ。


日本フレートライナー U31A

 20フィートタイプの中では比較的よく見かける、日本フレートライナーのU31A。

 ↑↑のUC7の後継とも言えるコンテナで、デザインも変更されている。

 これもL字二方開きとなっており、反対側面は↓こんな感じ。



日輪 U31A

 (株)日輪の保有する、U31A形5000番台のトップナンバー。

 既に夕方だったので、スローシャッターで少し流しながらも、3070列車に積載されて東上するところをなんとかキャッチ(^^;

予讃線 比地大〜本山間にて


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通風コンテナ

 通風機能付きのコンテナ。

日本フレートライナー UV31A

 かなり使い込んでいるように見受けられる、UV31Aのセカンドナンバー。

 現時点での残存数はわずか1個(!)という超稀少なコンテナで、2006年から現在まで1個で推移している。
 ↑を撮影したのは2007年4月なので、ひょっとして最後の生き残り?



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冷蔵コンテナ

 保温保湿機能付きのコンテナ。
 ただし能動的に温度や湿度を調整するのではなく、保冷時はドライアイス等によって保冷を行う。
 定温コンテナほどの厳格な温度管理が必要ない物を運ぶのに使用される。

ヤンマー UR29A


 20フィートの私有冷蔵コンテナは、実はこのUR29A型1形式のみしか登録されておらず、その数はわずか28個と、レアな存在。

 これはヤンマーが保有する個体で、形式と重量表記以外は何も無い無地塗装となっている。


 妻面のほか、この反対側側面も開くが、反対側面は側面全体が開くのではなく、中央部分のみの観音開きとなっている。
 この日はこの状態で置いてあったので、その反対側は残念ながら撮れずじまい。


JOT UR29A


 ヤンマーに続いて、JOTのUR29Aも高松に出現。

 構造的にはヤンマーのものと同じと思われるのだが、手前のUM12Aと奥の19Dが邪魔(^_^;で、この反対側面の観音開き扉の有無は確認できなかった。

 こちらの方は、背高表記とコキ50000積載禁止表記がある。
 



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定温コンテナ

 定温輸送用。
 概ね±25度ぐらいまでの範囲で庫内を一定温度に保つことが出来、そのための空調用エンジンと燃料タンクを端部に積載している。
 コキ車1両に2個までの積載制限がある。

JOT
UF27Aクールコンテナ

 珍しい、20フィートのクールコンテナ。

 背高仕様のため、それを示すマークと、「コキ100系積載限定」の文字が見える。
 現時点での残存数は10個という稀少グループ。



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無蓋コンテナ

 屋根無しコンテナ。
 廃棄物や残土輸送などに使用され、飛散防止のカバーも付いているのが一般的である。

UM12Aの5000番台

 模型ではさいたま新都市のロゴ入りでおなじみで、当初はその通りさいたま新都心開発に伴う残土輸送に使用されていたが、終了後はロゴも消されて、通常の無蓋コンテナとして使用中。

 UM12A全体での登録数は623個で、20フィートの私有コンテナでは最大勢力。

積み上げられた6個のUM12A

 1個だけ、高さの違うのが混じっている。

 UM12A−5163の妻面に取り付けられた製造者プレート。
 新明和工業製らしい。


新居浜にて

UM12Aの10万番台(!?)

 あまり見かけない番号区分であるが、通常の5000番台に単純に10万をプラスしただけのように見えるので、用途や所有者、仕様変更等による番号区分であろうか?

UM12A 5000番台の
JR貨物保有分(?)

 それにしては、貨物時刻表にはJR貨物保有分として載っていないのだが、、、さて?

日本環境鉄道輸送のUM12A

 0番台で区分された、比較的初期の頃のタイプ。


日本通運 UM12A

 エコマークの入った、日本通運の青いUM12A。


UM12Aの5500番台

 保有はジェムカ?


徳山通運のUM12A

 遠目に見ると「福山通運」に見えたが、フクツーにしちゃ色が変だと思ってよく見たら、「徳山通運」(^^; マギラワシイ

 この日高松には7〜8個程度が積まれていたが、産廃輸送かな?


JOTのUM14A 5000番台

 JOTの保有する、UM14A無蓋コンテナの5000番台。

 UM14A全体の登録数は201個となっている。



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海上コンテナ

 海上コンテナは、主に20ft(6,058mm)と40ft(12,192mm)の2種類がある。

 その名の通り海上輸送を主目的として製作され、船に積載されることが多く、国内の鉄道コンテナがおおむね2段積みまでを前提としているのに対し、3〜4段以上の高層積みも可能となっている。
 鉄道コンテナと同様に、一般貨物用のドライコンテナの他、冷凍コンテナやタンクコンテナなども存在する。

 幅は8ftフィート(2,438mm)、高さは8ft6インチ(2,591mm)が基本だが、高さがこれよりも1フィート高い(2,896mm)背高コンテナも普及している。
 背が高いことから、積載されるコンテナ車の種類や輸送可能な区間などが限定される。
20ft/一般貨物用ドライコンテナ(22G4)

22G4形
TBKS 201305-9

 四国の鉄道貨物では20フィートの一般貨物用海上コンテナは非常に珍しいが、2019年3月に高松で12年ぶりぐらいで見かけた。

 当日夜の70列車で東京に向かったようで、撮影時点で既にコキに積載済みであった。


22G4形
TBKS 201302-2

 扉側側面。
 4面のうちのこの1面だけが開閉可能な構造となっている。


20ft/ホッパコンテナ(22B0/22G9)

22G9形
JOTU 100681

 一見するとドライコンテナだが、実は筐体上部に搬入口を持つホッパコンテナ。

 71〜3071レおよび3070〜70レによく積載されており、新居浜近辺の荷主が使用している模様?

 また、高松に置かれていることもある(右)。


高瀬〜比地大間
3071レ

22B0形/22G9形
JOTU 099138-5 (左:22B0)
JOTU 099624-2 (右:22G9)

 2007年11月に高松貨物ターミナルで発見した、JOT保有の海上20フィートコンテナ。

 中央通運の扱いで71列車に積まれてきた物らしいというのは「充填票」によって判るが、積荷等の詳細は不明。




22G9形
JOTU 099734
JOTU 100573

 天井に搬入口が3つある。

 拡大→


 ちなみに、←左の22B0形は搬入口は2つの模様。


観音寺にて


22G9形
JOTU 099734
JOTU 100573

 斜め側面から。

 扉を開くと取出口がある。
 また、扉の無い側の妻面には、上に登るためのステップ(梯子)が設置されている。


観音寺にて


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