予讃線 (1) <高松〜伊予西条>

<沿革>

 予讃線の起源は、1889年に丸亀〜多度津〜琴平間開業した讃岐鉄道に始まる。当時の多度津駅は現在の多度津工場のあたりに位置し、その後観音寺方面への延伸に伴って現在の位置に移転した。

 なお、一部マスコミなども含めて、これが四国最初の鉄道と紹介されることがあるが、実際は1888年10月に伊予鉄道が松山(現:松山市)〜三津間を開業したのが最初である。
 但し当時の伊予鉄道線は軽便鉄道線規格であり、普通鉄道規格の路線としては讃岐鉄道が最初であり、その旨注釈を入れている記事も散見される。


 線路は1897年には高松まで延長され、当時の高松駅は現行高松駅に近いところにあった。ちなみに宇高航路か開業したのは、対岸の宇野線が宇野まで開通した1910年6月12日で、このとき、先代高松駅舎のあった位置に高松桟橋駅が開設された。
 以下、開業の経緯を現在の予讃線および内子線に関する全区間について記す。

年月日
記  事
備  考
1989年5月23日讃岐鉄道開業により、現予讃線・丸亀〜多度津間開業当時の多度津=後の浜多度津:現在の多度津工場の位置
1997年2月11日讃岐鉄道 丸亀〜高松間開業当時の高松駅は現在の香川大学教育学部の北側付近
1904年12月1日讃岐鉄道譲渡により山陽鉄道となる
1906年12月1日国有化、国鉄・讃岐線となる
1910年7月1日高松駅を桟橋付近に移転
1911年12月20日讃岐線・高松桟橋〜高松間開業高松桟橋駅=後の3代目高松駅
1913年12月20日多度津線・多度津〜観音寺間開業現多度津駅/従来の多度津駅を浜多度津駅と改称
1916年4月1日多度津線・観音寺〜川之江間開業多度津〜川之江間を讃岐線に編入
1917年9月16日西条線・川之江〜伊予三島間開業
1918年2月14日愛媛鉄道・長浜〜大洲間開業762mm軌間/長浜=現伊予長浜/大洲=現伊予大洲
1919年9月1日西条線・伊予三島〜伊予土居間開業
1920年5月1日愛媛鉄道・若宮分岐点〜内子間開業762mm軌間
1921年6月21日西条線・伊予土居〜伊予西条間開業
1923年5月1日讃予線・伊予西条〜壬生川間開業
1923年10月1日讃予線・壬生川〜伊予三芳間開業
1923年10月6日讃岐線・西条線を讃予線と改称(編入)
1923年12月21日讃予線・伊予三芳〜伊予桜井間開業
1924年2月11日讃予線・伊予桜井〜今治間開業
1924年12月1日讃予線・今治〜伊予大井間開業伊予大井=現大西
1925年6月21日讃予線・伊予大井〜菊間間開業
1926年3月29日讃予線・菊間〜伊予北条間開業
1927年4月3日讃予線・伊予北条〜松山間開業
1930年2月27日讃予線・松山〜南郡中間開業南郡中=現伊予市
1930年4月1日讃予線を予讃線と改称
1932年12月1日予讃線・南郡中〜伊予上灘間開業
1933年8月1日予讃線を予讃本線と改称
1933年10月1日愛媛鉄道を買収、愛媛線とする愛媛線=長浜〜大洲間
1935年6月9日予讃本線・伊予上灘〜下灘間開業
1935年10月6日予讃本線・下灘〜伊予長浜間開業 旧愛媛線・伊予大洲〜新谷間は廃止
愛媛線全線を1,067mm軌間に改軌
旧愛媛線・伊予長浜〜伊予大洲間を予讃本線に編入
旧愛媛線・五郎〜内子間を内子線とする
愛媛線・五郎〜新谷間開業
1936年9月19日予讃本線・伊予大洲〜伊予平野間開業
1939年2月6日予讃本線・伊予平野〜八幡浜間開業
1941年7月2日宇和島線・宇和島〜卯之町間開業
1945年6月20日予讃本線・八幡浜〜卯之町間開業 宇和島線・卯之町〜宇和島間を予讃本線に編入
現予讃線全通
1949年12月27日坂出〜坂出港間貨物支線開業
1959年9月14日高松駅を高松桟橋駅の位置に移転、高松桟橋駅を廃止
1979年7月1日多度津〜浜多度津間貨物支線廃止路線自体は工場線として存続
1986年11月1日坂出〜坂出港間貨物支線廃止
1986年3月3日予讃本線・向井原〜内子間開業


 1927年に高松〜松山間が全通し、四国初の優等列車として準急列車(愛称名無し)が高松〜松山間に運転を開始した。
 また1947年6月29日に、高松桟橋〜宇和島間直通の準急列車が登場している。

 初の愛称付き準急は、1950年10月1日改正で高松桟橋〜松山間に設定された「せと」。


 複線化進捗状況。
 ・1965年9月15日 高松〜香西間
 ・1966年4月6日 丸亀〜多度津間
 ・1966年9月28日 鴨川〜坂出間
 ・1967年9月22日 香西〜鬼無間
 ・1968年9月25日 端岡〜国分間
 ・1968年9月29日 国分〜鴨川間
 ・1970年3月27日 鬼無〜端岡間
 ・1993年9月21日 坂出〜丸亀間

 電化進捗状況。
 ・1987年3月23日 高松〜坂出間/多度津〜観音寺間
 ・1987年10月2日 坂出〜多度津間
 ・1990年11月21日 伊予北条〜伊予市間
 ・1992年7月23日 観音寺〜新居浜間/今治〜伊予北条間
 ・1993年3月18日 新居浜〜今治間





<概要>

 予讃線は香川県の高松市から瀬戸内海沿いに四国をほぼ半周し、愛媛県南端の市である宇和島とを結ぶ延長300km以上に及ぶ幹線で、四国のメインルートでもある。

 高松から多度津までは土讃線列車も走行することから、この区間については国鉄時代に既に一部を除いて複線化されていた。現在では高松〜宇多津間はこれに加えて瀬戸大橋線列車も走行するため、地方の路線としては列車本数はかなり多い(高松〜坂出間、定期旅客列車本数:237本/日)。


 四国では一番の幹線である予讃線も、全国レベルで見れば「甲線−乙線−丙線−簡易線」とランクされた線路規格のうち、「丙線(三級線:高松〜松山間))」規格で建設された「ローカル線」であった。
 その為、電化や複線化といった線路改良も、国鉄時代は高松〜坂出間と丸亀〜多度津間の複線化しか行われず、民営化直前にようやく高松〜坂出・多度津〜観音寺間の電化が駆け込みで完成したにとどまった。重軌条化についても、1960年の時点でも高松〜多度津間のみ37N、他は30Nが基本、という状況であった。


 しかしながら国鉄時代から多くの優等列車が運転され、1960年代には既に現在のエル特急並みの等時隔ダイヤが気動車急行列車によって実現されていた。
 当時最速の急行列車は多度津〜松山間を表定速度約67km/hで結び、単線区間の気動車急行列車としては文句無しに日本最速で、本州の気動車特急と比肩しうるスピードだった。



 現在は分厚いバラストにコンクリート枕木などで強化された軌道上を、平均時速90キロ程度の特急列車が1時間ヘッドで運転され、全線単線でこれほどの高速・頻繁運転が行われている路線は他に例がない。


 なお、高松〜多度津間は2010年3月改正で一部の列車でワンマン運転がはじまったが、これによってJR四国内の全ての区間がワンマン運転対象区間となった。
 これに合わせて、同区間の各駅のホームに後方確認用のミラーが設置されている。


〜icocaエリア〜

 ICカード乗車券の導入に関しては、JR四国はJR旅客会社としては最後となったが、結局利用者数やコストなどの問題から、結果的にJR西日本の岡山エリアに組み込まれる形での導入となった。

 当初は高松・坂出両駅のみの扱いで、2012年3月17日から開始された。

 その後2014年3月1日からは、予讃線の高松〜多度津間が利用可能エリアとなっており、駅員配置駅では窓口の営業時間中にicocaの購入、およびチャージが可能となっている。
 これに合わせて利用可能エリアの各駅には、icocaに対応した自動改札機または簡易改札機が設置されている。




<列車&車両>


<高松〜多度津間 旅客列車>

 JR四国の路線としては島内で唯一の複線区間であり、上記の他に土讃線列車や瀬戸大橋線列車が乗り入れてくるため、使用車種&運転本数ともに地方都市圏区間としてはかなり多い。

 特急列車は予讃線の「しおかぜ」「いしづち」「モーニングEXP高松」のほか、土讃線の「南風」「しまんと」、それに東京行き寝台特急「サンライズ瀬戸」が加わる。
 「南風」「しまんと」は全て2700系、「しおかぜ」「いしづち」が8000系と8600系で運転される。


 またこの区間は四国島内で唯一の快速列車(定期列車)走行区間でもあり、瀬戸大橋線の「マリンライナー」が30分ヘッド、予讃・土讃線の「サンポート」が30〜60分ヘッドで運転されている。

 「マリンライナー」は5000系&223系5000番台が運用され、普通列車としては関西の新快速と並ぶ国内最速の130km/h運転を行っている。
 「サンポート」は、6000/7000/7200系の各系列が使用され、異系列併結列車も多いが、編成は最大でも4両。

 高松〜坂出間では1日に上下合わせて100本以上の快速列車が運転されており、40万規模の地方都市圏区間としては国内では他に類例がない。


<多度津〜伊予西条間 旅客列車>

 特急列車は8000系電車と8600系電車が充当され、定期列車だけで下り17本/上り19本が運転される。
 このうち単独運転となるのは、下り2本/上り5本だけで、そのほかの日中の列車は全て「しおかぜ」「いしづち」併結列車となる。


 多度津以西の普通列車は全て各駅停車のみとなり、高松運転所の7200系が主力だが、朝夕の輸送力列車などに6000系が充当される他、区間列車には7000系もある。
 多度津〜観音寺間は日中毎時2〜3本の普通列車があるが、観音寺〜伊予西条間では毎時1本程度になる。

 なお7000系は観音寺以東では高松運転所所属車、以西は松山運転所所属車がもっぱら充当されているが、松山車が高松まで乗り入れる運用や、逆に高松車が松山まで入る運用もあり、1両単位で運用が組まれている関係もあって、高松車と松山車の混結運用も多く組まれるなど、かなり複雑である。

 また、異系列車両の併結列車も多く設定されている。



<貨物列車>

 一方貨物列車は、本四直通系統が5往復(うち2往復は臨時)設定され、そのうちの下り1本と上り2本は新居浜・松山方面へ直通するが、いずれも一旦高松貨物ターミナルを経由して車両の増解結を行う、スイッチバック運転となっている。

 本州からの直通を含めた、高松貨物ターミナル発着の島内列車は、新居浜行が2往復と、伊予三島・松山行が各1往復の合わせて4往復が運転される。

 高松〜坂出間では、合わせて1日最大9往復の貨物列車が走行するが、夜間帯運転の列車が多く、日中に撮影可能な列車は少ない。
 特に松山行貨物列車は上下とも夜間から未明にかけての運転となり、日中の撮影は不可。

 種別は、臨時2往復を含めた9往復全てが、最高速度95km/hの「高速貨物列車B」となる。
 ただし、多度津以西の区間では最高速度が85km/hに制限されている。


 牽引機は2025年3月15日改正以降は全てEF210に一本化された。EF210形は東京〜高松〜新居浜間の列車は吹田機関区、大阪〜高松〜松山間の列車を岡山機関区、それ以外は新鶴見機関区が運用を担当する。

 編成は、本四直通系統は定期3往復のうち2往復は所定22両1100トン牽引、残る1往復は20両。臨時2往復は15両または20両編成となっている。
 ただし2025年現在は一部減車運転している列車がある。

 島内列車は伊予三島発着列車が常時8両編成。
 日中に新居浜まで往復する3070〜3071レは以前は所定8両だったが、2010年代から7両に減車する日が増え始め、2015年頃からは常時6両となり、2024年の年明けからはさらに5両に減車された。

 夜間の新居浜・松山発着列車(2往復)も、以前は12両編成であったが近年(新居浜発着列車は2019年3月から)は所定9両編成となっている。

 深夜の多度津駅では、松山行を新居浜行が追い越すシーンを見ることができる。





※駅名をクリックすると、各駅ごとの詳細情報のページを開きます
営業キロ駅番号駅名(読み)開業年月日電略標高ホーム形態主な施設備考
0.0 Y00
T28
高松たかまつ1897. 2.21カマ 2 m 島式櫛形
4面9線
み旅 四国のJR線の起点
駅内全平面移動可能
駅弁販売駅
高松運転所
3.4Y01香西こうざい1952. 1.27コサ 2 m 対面
2面2線

駅舎無し
--高松貨物ターミナルたかまつかもつたーみなる2000. 8.16タタ 約10 m
(測定値)
-- JR貨物所属
貨物専用駅
6.1Y02鬼無きなし1897. 2.21キナ12 m 対面
2面2線

9.5Y03端岡はしおか1897. 2.21ハオ24 m 併用
3面4線

11.9Y04国分こくぶ1897. 2.21コク33 m 対面
2面2線
曲線ホーム
14.2Y05讃岐府中さぬきふちゅう1952. 1.27サフ20 m 対面
2面2線

駅舎無し
曲線ホーム
16.6Y06鴨川かもがわ1897. 2.21モワ9 m 島式
2面4線

18.6Y07八十場やそば1952. 1.27ヤソ7 m 対面
2面2線

駅舎無し
21.3Y08坂出さかいで1897. 2.21サテ9 m 併用
2面3線
み旅
EV ES
高架駅
25.9Y09宇多津うたづ1897. 2.21ウタ11 m 島式
2面4線

EV
高架駅
28.5Y10丸亀まるがめ1889. 5.23マメ9 m 対面
2面2線
み旅
EV ES
高架駅
曲線ホーム
30.1Y11讃岐塩屋さぬきしおや1952. 1.27シヤ2 m 対面
2面2線

駅舎無し
32.7 Y12
D12
多度津たどつ1889. 5.23タト3 m 島式
2面4線

多度津工場
側線・留置側線有
ターンテーブル有
土讃線分岐駅
36.5Y13海岸寺かいがんじ1913.12.20カイ3 m 島式
1面2線

39.5- (臨)
津島ノ宮
つしまのみや1915. 5. 7ツミ3 m 片面
1面1線

駅舎無し
臨時乗降場
曲線ホーム
42.0Y14詫間たくま1913.12.20タク3 m 島式
1面2線
側線・留置側線有
44.5Y15みのみの1952. 1.27ミノ3 m 片面
1面1線

1994.12.3
高瀬大坊 から改称
47.0Y16高瀬たかせ1913.12.20タセ9 m 島式
1面2線

50.0Y17比地大ひじだい1957.10. 1ヒシ21 m 片面
1面1線

駅舎無し
52.4Y18本山もとやま1913.12.20モト8 m 島式
1面2線


56.5Y19観音寺かんおんじ1913.12.20オン2 m 併用
3面4線
み旅

62.0Y20豊浜とよはま1916. 4. 1トヨ11 m 島式
1面2線

留置側線有
66.4Y21箕浦みのうら1916. 4. 1ミラ5 m 島式
1面2線

貨車再利用の駅舎
72.2Y22川之江かわのえ1916. 4. 1ノエ5 m 島式
1面2線

屋跨
留置側線有
駅弁販売駅
77.6Y23伊予三島いよみしま1917. 9.16ミシ18 m 併用
2面3線
み旅 橋上駅舎
側線有
81.7Y24伊予寒川いよさんがわ1933. 4. 1サン 9 m 対面
2面2線

85.9Y25赤星あかぼし1960. 3. 1アカ14 m 片面
1面1線

駅舎無し
88.6Y26伊予土居いよどい1919. 9. 1トイ31 m 島式
1面2線

留置側線有
92.2Y27関川せきがわ1961. 4.15セキ63 m 片面
1面1線

駅舎無し
本線側はホーム無し
ホームが側線側にしかない
99.4Y28多喜浜たきはま1921. 6.21タハ6 m 島式
1面2線
留置側線有
曲線ホーム
103.1Y29新居浜にいはま1921. 6.21ニハ30 m 併用
2面3線
み旅
EV 屋跨
側線・留置側線有
駅弁販売駅
107.9Y30中萩なかはぎ1921. 9.21ナキ47 m 対面
2面2線
駅前に鳥居
114.3Y31伊予西条いよさいじょう1921. 6.21サイ5 m 併用
2面3線
み旅
EV 屋跨
側線・留置側線有


<桃太郎踏切と『桃太郎』>

 2000年8月に開業した高松貨物ターミナル駅の西方(鬼無駅の東方とも言う)にある「桃太郎踏切」

 2002年3月のダイヤ改正からはEF210「桃太郎」が四国に乗り入れるようになり、2019年現在は1日に10回、「桃太郎」が「桃太郎踏切」を通過する光景が見られる。


(高松貨物ターミナル〜鬼無間)
↓鬼無〜端岡間

↓国分〜讃岐府中間

<複線片ポール>

 鬼無〜端岡間と国分〜讃岐府中間には、架線柱設置場所の関係で複線の架線を片側1本の架線柱だけで支持する区間が存在し、このような架線吊架形態は珍しい。


<うねうね>

 鴨川〜八十場間の直線区間は、意外と起伏が多い。

 本州直通貨物列車のように長編成の列車だと、なかなか面白い写真が撮れる。


(鴨川〜八十場間)


<屏風ヶ浦>

 岸壁一つ隔てて風光明媚な瀬戸内海を見ながら走る、予讃線 海岸寺〜詫間(津島ノ宮)間。

 車窓風景の素晴らしいこの場所はしかし、常に波に洗われる場所でもある。
 2017年の台風に伴う高波により、この防波堤の一部が崩れ、また変形したことから、その後2022年度まで修復・改良工事が継続して行われていた。


((2枚とも)海岸寺〜詫間(津島ノ宮)間)


 被災後の復旧・改良工事の様子 (新規タブで開きます)

<津島ノ宮付近>

 1年間でたった2日間だけしか営業しないという、日本一営業日の短い臨時駅「津島ノ宮」

 その津島ノ宮は子供の守り神として知られ、駅から徒歩5分ほどの所にあり、毎年8月上旬に大祭が催され、この2日間だけはほぼ全ての普通列車が臨時停車し、この駅も賑わいを見せる。


(津島ノ宮〜詫間間)

<祠>

 みの駅を過ぎた田園地帯、田んぼの中に地域住民の信仰を集めているであろう小さな古い祠が建っている。

 いつからの物かは不明であるが、いったい何十年間(ひょっとすると百年以上?)に渡って列車の往来を見つめ続けているのであろうか?


(みの〜高瀬間)

<鳥越トンネル>

 香川・愛媛の県境にある、鳥越トンネルを通過する8000系。

 断面積が非常に小さいため、ごく限られた車両しか通過できないという、曰く付きのトンネルである。JR四国の保有する電車でも、JR西日本223系をベースにした5000系は、このトンネルを通過できない。

 「サンライズ」として季節乗り入れする285系も、このトンネルを通過するためにわざわざパンタグラフを改造しているほか、国鉄民営化時に投入された121系も、当トンネルを通過するためにパンタグラフの交換改造を行っている。


 全長は121m(正確には120m76cm)で、トンネル区間はツインシンプルカテナリーとなっている
 この独特な架線吊架方式は、予讃線の特に愛媛県内の(超)小断面トンネルに振子式車両の通過できる架線を張るためにJR四国が独自に開発したもので、ほとんどのトンネル区間で採用されている。


 蛇足ながら、予讃線の狭小電化トンネルを語る際に必ずと言っていいほど引き合いに出される同トンネルであるが、予讃線の電化トンネルは全てこの鳥越トンネルとほぼ同じ条件であり、このトンネルだけが特別なわけではない。
 おそらくは、高松側から予讃線を下っていくと最初に通過する、いわば「入口」とも言えるトンネルであるために注目されているだけであろう。


(箕浦〜川之江間)


<大王製紙積み込み場>

 川之江市と伊予三島市などが合併して誕生した四国中央市は、日本最大(製品出荷額ベース)の製紙工業都市。

 旧伊予三島市内の予讃線沿いに、大王製紙の紙パルプ製品類の専用積み込み場がある。
 高松〜伊予三島間に運転されているコンテナ列車は、事実上大王製紙の専用貨物列車となっている。


(川之江〜伊予三島間)





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